白兎を追いかけて | ナノ


その後、予定通りにゲーム練が始まった。

光くんは自分の試合がないときには必ずわたしの隣にいてくれた。


「あ、先輩アホ顔になってますわ」

「んなっ!なってへん!」


「すみません。もとからアホっちゅーことですか」

「アホアホ言うな!」


…ってな感じ。


ウチを一人で悲しませんようにしてくれているんやろうか。光くんの優しさが、じんわりと胸に染みた。


「柚先輩ー、今日の晩ご飯なんですか?」

「ふっふっふー。今なら光くんのリクエストを受け付けてあげようではないか」


「なんですかその上から目線。いっときますけど柚先輩相当ちっこいですからね」

「ち…、ちっこいやて?女子では標準やって!あー…標準よりちょっと、もうちょっと下かもしれへんけど」

「ほな標準より結構下、ってかもうかなり下やろう柚先輩のために晩ご飯はシチューでいきましょか」

「なんでシチューやねん!」


「牛乳飲んで大きくせなあかんでしょ。…様々な場所を」

「ふぎゅあああ!この変態!どこのことを言ってるんや!」


「どこって、」

「目線で訴えるなアホー!」


ほんま、ほんま、ほんま!
光くんは年下やん!からかわれてどないすんねんウチ!

せや、大人にならなあかん。

この鼻垂れ坊主(垂れていません)に乗せられたらあかんで!
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