「そういえば、白石部長元気ないんですけど、どないしたんです?」
「う、ウチも気になっててん…!」
やっぱ、光くんから見ても元気ないんやな……。
「まさか、柚先輩が気持ち悪いラブエールを送ったんじゃ…」
「し、失礼やな!そないなことしたことあらへんわ」
「毎日してはるやないですか」
「それは純情なラブエールや!」
光くんとギャーギャー騒いでいると、聞き慣れた声が降ってきた。
「楽しそうやなぁ」
く、蔵っ!浴衣から覗く鎖骨がエロいです!
「なに言ってはるんですか。獣の暴走を俺が止めてただけですわ」
「獣ちゃうわ!」
「柚は女の子やて」
誰もが言ってくれない当たり前のことをサラリと言ってくれるなんて…!
さすがマイプリンス!
「柚先輩、そーいう視線が気持ち悪いラブエール…」
「ちょーっと光くん!先輩とあっちで楽しくお喋りしましょうねー」
堂々と言うなや堂々と!
ウチは光くんをズルズルと引きずって蔵から離れた。
せやから見えへんかった。気付けへんかった。
蔵があのときと同様に悲しい表情を浮かべていることに……。
「どんどん俺から離れて行きよるみたいで…、寂しいな」
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