白兎を追いかけて | ナノ


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調理実習も終わり、放課後になった。

本日は珍しく部活は休み。

きっと、調理実習というビッグイベントに気を使ってあるのだろう。(そんなわけはない)


放課後、ウチのクラスは戦場となった。


「白石くーん!クッキー作ったん、貰って〜」
「白石くん私のも!」
「キャー白石くんー!」


…どうやら、調理実習があったんはウチんクラスだけやないみたいや。

3組ん子とか、4組ん子もおる。

そんなこんなでウチんクラスは女子でいっぱいになっとる。

もちろんその中心におるのは、白石蔵ノ介。


ウチは部活に誘われたあの日から、蔵と一緒に帰っている。
蔵がチャリのときは後ろに乗っけてもらってたり。

ウチはこの騒ぎが収まるまで大人しゅー待っとかなんっちゅーわけや。


「ほんま恐ろしいほど大人気やな」

「………、なんや謙也か」


チラリと隣を見ると、下僕以下知り合い以下の謙也がおった。


「下僕以下ってなんやねん!っちゅーか、なんで全部以下なんやっちゅう話や!」

「今日もツッコミ最悪やなー」

「なんや、機嫌悪いみたいやな」


こんな光景を眺めていて、気持ちが良いわけないやろ。
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