白兎を追いかけて | ナノ



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「見や!これが俺の大技、スクエアリバースや!」


授業中。先生が黒板に地道に書いているにも関わらず馬鹿が一匹。
ペンをビュンビュンものっそい速さで回していた。それはまさしくアホの極み。


「…や、ペン回し用語言われたってさっぱり分からんし」

「はっはっは、無知な柚に教えたる。これはリバースの後、キャッチせずにもう一度親指の周りを回す」
「神様ウチにデスノートをお与え下さいな」

「おい!誰を書く気や!」



…あまりにも謙也との絡みがウザイので、奴の筆箱からイグアナらしい謙也お気に入りの消しゴムを捕虜として預かった。


「俺のイグアナちゃ…」
「よーし忍足問一行ってみよか」

「オーマイガッツ!」


…一つだけ問いたい。
謙也を超えるアホはこの世に存在するのか?



「謙也ってほんまおもろいなー。蔵もそう思わへん?」

「……………。」


席替えをして隣の席の蔵にそう問うと、上の空で窓の外を眺めていた。


「蔵…?」

「…あ、すまん、なに?」

「せやから謙也ってほんまおもろいよねーって……」

「あ〜、風月のお好み焼きはごっつ美味いよなぁ」



ちょ、おい。

噛み合ってへんにも程があるやろ。
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