白兎を追いかけて | ナノ





「せやからー…白石くんにもいろいろ考えがあるんやって。…多分」

「なんやねんソレ。しかも多分なんて信用出来ひんわ!」


こちらはガールズトーク。昼休みに今日は屋上に来てみた。

なんやいろいろ叫びたなったし、教室には蔵がおるからあんまり大きい声出せへんし。

ってかここはウチが蔵に告白した思い出の場所やないかいー。うわーチョイスミスー。


「やってあの白石くんなんやで?考えてることは柚より遥かに深く、筋も通っとる筈」

「え、なにそのウチの扱い」


でも今回ばかりは蔵が悪いんやもん。ウチはなんも間違ったことは言ってへん!


「ゴールイン間近でまさかの喧嘩やなんて白石くんもご愁傷様やなぁ」

「変態にはこれぐらいが丁度ええねん」

「男はみんな変態やって。わたしの彼氏も毎日セックスしたがるで?」

「あーその話ひどく聞きたくないわ」


思った通り、3秒後ぐらいにど突かれた。ぐはっ。


「あんまり余裕ぶっこいてると白石くん奪われてしまうで」

「なんやて!?そらあかん!」

「(単純やわー…この子。)
柚と付き合い始めて狙ってる女の子は減ったんやけど、まだねっちねち白石くんを狙ってる子はおるんやで」


「うわー嫌やー…蔵は絶対渡したない」

「ほんなら仲直りせな」

「え?ウチ謝らなあかんの?」

「そうやなくて、白石くんの真意を聞き出すんや。ほんで和解!みたいな!」

「ほーん…了解!」


蔵はなにか、ウチの知らないことを考えてるんやろうか?


「白石くんのファンの子には気をつけるんやで」

「ウチが負けるわけあらへんやろ」


このときは、なにもかもを軽く考え過ぎてたんだ。
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