「気持ち良かったんかー。うわー、そうなんか。次はもっと頑張らな」
なんだかとっても嬉しそうな蔵ノ介さん。ちゃんと聞こえてるやないですか。ってか頑張るって何を!?
「…嬉しいん?」
「そら当たり前やろ。そうやって言葉にしてくれると頑張り甲斐もあるしめっちゃ嬉しいねん。行為中に言ってくれると燃えるわ〜…」
「いや、絶対言わへんし」
「どない方法で言わせようかなー。……せや、あそこを重点的に攻めれば柚はコロリと」
「ちょっ、もう喋らんといて!」
が、学校なんやから…!ちょっとは口を慎んでほしい。
誰かに聞かれても頑張る?攻める?テニスの話かな?て思ってくれるやろうけど。
(昨日のことを思い出して、…恥ずかしい。甘い熱が蘇ってきそう)
紅潮したこの顔を見られたくなくて一生懸命両手で隠すと、蔵に無理やりこじあけられた。
両手を掴んだまま蔵は微笑んで、「可愛い」と。あーもう蔵はどれだけウチの心を鷲掴みにすればええんやねんっ。
彼はそのまま、熱が冷めないウチに囁いた。
「今日俺ん家来えへん?」
「…………え?」
「意味、分かる?」
「あ…うん。…まぁ、一応」
密室に、行くんやんな。きっと蔵は昨日の続きを期待してる。
「返事、聞かせて」
……えっと…。
ウチの気持ちは昨日と変わらない。やって昨日はただ勢いで言ったわけとちゃうし。
蔵と一つになりたい。さらなる愛を求めたい。
「うん。…行く」
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