白兎を追いかけて | ナノ





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休日明けの月曜日。

それはそれはあんなことがあった次の日ですから、気まずいことこの上なくて。

財前くんは勿論、蔵ともちょっぴり変な空気。


「お、おはようさん…柚」

「おおおはようさん!」


なんっちゅーか…ギクシャク?いや、ウチが意識しすぎてるだけなんかな。

…でも、意識もするわ。あんな風にもも、も、悶えたり、みみみみ乱れたり。

は、恥ずかしかったわー…、

蔵はどう思ってんねやろ。


「あのっ、蔵っ」

「ん?どうした?」


さぁ聞くんや花風柚!


「今日はええ天気でござんすな」

「…ほんまでござんすな」


ちゃうねんちゃうー!なんやねんこの会話は!もうめっちゃ意味分からんノリやんか。

はぁー…、いっそ通天閣からバンジージャンプしてまいたい。

…って、どれだけリフレッシュを求めてるんだウチは。


なしてこないにウチはウジウジしてんのやろ。ウジウジ一氏かこの野郎。
ウチらは両想いなんやから、付き合うてんやから。想いを伝えあってナンボやないかいっ。



「昨日はごめん!」

「え」

ごめんってナニガ?みたいな顔してる蔵ノ介さん。いや、いいんですいいんです。蔵ノ介さん優しいですから。


「いや、せやからそのー…誘っといて、中途半端な感じで終わってー…ごめん」

「しゃあなかったやろ。それに悪いのは柚やあらへんし」


悪いのは財前やと言ってまいそうですよ蔵ノ介さん。なんったってあれから二人は一言も喋ってませんからね。

今日の朝練では二人の仲を必死に取り持つ謙也がいつも以上に痛かった。


「ウチばっかり、そのー…気持ちいい思いして、なんか悪いなぁって」


「…え、ちょ。今のもう一回言うて」

「なんか悪いなぁ、って?」

「いや、その前」

「い、言わんわ恥ずかしい!」


そのキーワードを連呼していたら変態になってまいそうな気がする。もうウチも変態が感染してるんかもしれんけど。
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