白兎を追いかけて | ナノ






「っちゅーわけで、離し?」

「嫌や」


「なぁ、柚」

「なに」

「食われてまうで?」

「ええよ」

「意味分かってるん?俺が言ってるのは柚を襲ってまうってことやで」

「分かってる」

「柚?」

「ちゃんと…、分かってる」


蔵の言葉の意味もちゃんと分かっているから。覚悟だって、している。

ウチの真意が掴めずに未だに困惑している蔵。なして口にせんと分からんのかなぁ。


「蔵だけ、その…エッチなことしたいて思ってたら大間違いやで。ウチやって、蔵に…その……抱かれたい」


顔を真っ赤にして、見上げながらに言ったその言葉は効果抜群やったらしい。


視界は一気にぐるりと一転。

ウチの視界には青い空と蔵ノ介。彼がいつも以上に艶めかしい気がする。


背中は砂の地面。手首は見事に拘束。蔵に四つん這いになって、押し倒されたのだ。
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