白兎を追いかけて | ナノ





二度ものダメ出しを出されたウチは心が折れそうになった。

離したくない離したくない離したくない離したくない離したくない。

…なんやねん、ウチは赤子か。蔵といると、ウチはこんなにも幼く、我が儘になってしまう。


そのぐらい、ウチは蔵を失いたくないの。



「さっきも言うたやん。俺…もう我慢の限界やねん」


ごめんなさいごめんなさい。たくさん謝るから、悪いところはちゃんと直すから、別れるやなんて、


「俺、狼になってまう」


言わない………、で?


あれ?なにかおかしい。


「狼?」

「可愛い可愛い柚うさぎをパクリと食べてまいそうや。アカンわー、もうこの体勢なんて生殺し状態や」


(………えっと、)


「我慢の限界とはそのつまり、ウチに嫌気がさしたというわけではなく?」

「嫌気?なに言うてるん」


(…えっと、えっと)


「触るのを拒否してたんは、なしてなん?」

「俺が止まらんようになってまうからや。もしかして誤解したんか?」

「ウチのこと、嫌いになったんかと思った」

「アホ。なにがあっても大好きに決まっとるわ。そない超一般常識IQ10もあれば分かるようなことも分からへんのか」


いや、あの、すごく大袈裟かと思われます……。
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