白兎を追いかけて | ナノ



…だいたいさ、蔵はウチの水着姿を誰にも見せたないからってパーカーなんて着せられたけど。

ウチの水着姿とか見たい人とかおらんし、みんなの視線を引くのは決まって蔵。…逆に蔵にパーカー着せたいわ。


でも…ヤキモチ妬いてくれて、嬉しかったな。あのときの蔵、ほんまにかっこよかったもん。


海藻回想〜



 「謙也が一番に水着褒めるやなんて、はぁ――…」

「なんで蔵が落ち込むん。別に減るもんやないやろ」

「せやけどー……、あ〜、俺もずっとずっと思ってたんやで!あまりにも可愛すぎてあんなことやこんなことしたいていう思いが邪魔してただけで」
「あーもう喋らんでええ。それ以上喋らんでええでー」


「とにかく!めっっっっっちゃ可愛いわ!もう世界で一番!」

「お、おおきに…。ってか、大袈裟やて」

「そこいらの野蛮人に柚の水着姿なんか見せられへん。俺みたいな気持ちになってもろたら困る!」

「…ならへんわ」

「せやからこれ、着とき!」

「わっ、…って、パーカー?」


「柚の水着姿見れんのは惜しいけど、他の人が柚を見よる思ったらやりきれへんから」

「やきもち?」

「…………せや」

「ふふっ」

「笑うんやめや。こっちは必死なんやで、ほんま」

「やって、蔵可愛い」

「………。」

「…あ、堪忍堪忍。禁句て分かってんねん。せやけど蔵が可愛くて――…」

「構へんで」

「…え?」

「近いウチに柚は水着以上に露出した格好で可愛く喘いでくれるんやからな?もちろんベッドの上で」

「……っっっ!!」


〜回想終了〜

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