息苦しさのあまり涙目になっている柚のために仕方なく解放してやった。
俺はまだまだいけたんやけどな。
「ほんま……っ苦しっ、はぁ…夢なんになしてこないに…きついんやろ……っ」
「…せやなぁ」
「………。」
「………。」
「……あれ?」
パッチリと目を開けたことから、ヤバい気がしてきた。
…雲行きが怪しすぎる。
「………あれれ?」
首を傾げる柚に、とりあえず微笑むことしか出来んかった。
目、確実に覚めとるな。はは。
「蔵ノ介さん」
「なんですか」
「これは夢ですか?」
「夢みたいな一時やったわおおきに」
「…え゛」
「初めて柚にこない求められたわ。幸せやったでー」
「え、待って、ちょっ……」
頭に両手を当てて大パニックのよう。
真っ赤な頬で真っ青になるもんやから、もう何色なのか分からんようなっていた。
「ごちそーさん」
軽くキスして軽く笑う。
たっぷり堪能させてもらったで。
「蔵のドスケベ――!」
あぁ、授業中もこんな夢を見てたんかと、今更やっと納得した。
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