「別にな、財前と仲良くすんなってわけやないんや」
顔やって近いし、吐息だって、あたる距離で。
「でもやっぱ嫉妬してしまうねん」
今にも唇と唇が引っ付いてしまいそうで……。
「昼辺りから柚、なんか冷たいし」
蔵とのキスやハグの延長線にはその例の行為があるて思うと……、今まで以上に恥ずかしい。
「聞いてんの?柚」
「えっ?あ、あ…っ、うん」
「ならなんで俺の顔見ようとせんの」
「それ…、は」
ちらりと蔵の顔を見ると、真剣な眼差しにくらりときた。
蔵だけにくらり、うっわ寒いわウチ。
「財前になに耳打ちされたん?」
「今日も可愛いねって、…てへ」
「嘘は通じらんで」
…即答ですか、はい。
いや、騙せるとは思わんかったけど。
もうこの際、聞くべきやないやろうか?
優衣にも光くんにも同じことを言われて、正直ウチも知りたいて思う。
「光くんと話してたことに関係あるんやけど…、あの…蔵に聞きたいことがあって」
ウチは言えるん?
恥ずかしくて、恥ずかしくて、堪らなくなるのが目に見える。
「…ん。言ってほしいわ」
ウチの頬を撫でる蔵は、どこか色っぽい。
「……えっとね、えっと」
あ、やっぱり怖くなってきた。
…やってウチ、変態みたいやん。
いや待て、蔵は変態だ。
そう思うと少し心強くなった。
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