白兎を追いかけて | ナノ








ドレスとスーツで手を取り合う姿はほんまに結婚式のよう。


「柚をこれから先ずっと、愛し抜くことを誓うで」

「…はい」


「好きやで、大好きや。宇宙一大好きやねん」

「…はいっ」



ウチかて、ウチかて大好きや。


「ずっとずっと大好きでした。これからもずっとずっと大好きやねん。せやから、ずっと一緒にいて下さい」


明日も明後日も何年先も、キミといたい。


こんなにもキミが大好きやから。



抱き締められるかと思ったらそうでもなく、蔵はすぐに離れた。

胸元に冷たい感触。


「あ、これ……」


アクセサリーショップで、可愛いと騒いでいたうさぎのネックレス。



「蔵、…これ…っ」


「気に入ってもらえた?」


こくんこくんと首を縦に降って、思わず涙が溢れてしまった。


「柚泣かせてしもたわ、重罪やなぁ」

「嬉し泣きやから…ええもんっ」



蔵にぎゅうっと抱き締められて、少し苦しかったけれど、確かな愛を感じた。


解放されたかと思うと心を休める暇もなくキスが降ってきた。


お互い求めるように何度も何度も口付けを交わす。

この熱が、とても愛しい。





ねぇ蔵、大好きやから。

この幸せに依存して、離れられそうにないから。


これから先もずっとずっと一緒にいて下さい。



キミとボクの進む未来が、明るくありますように。
キミに願おう。

未来を信じよう。





「大好きや、柚」


キミは極上の笑みでそう囁いた。




ー 完 ー

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