白兎を追いかけて | ナノ




男テニのホストクラブは大繁盛。

ウチらが出る頃には長蛇の列が出来ていた。



「ほんま一氏くんかっこええしおもろいわーっっ!あ〜むっちゃ満足ーー!!」


そらよかったよかった。

ウチは喜びのあまり飛び跳ねる優衣に冷ややかな視線を送っていた。


かっこええ?一氏が?

まぁストライクゾーンは人それぞれやけど…。


っちゅーかあんた彼氏おるやろ!



「これからどないする?」

「たこ焼き食べたい箸巻き食べたいお好み焼き食べたい焼きそば食べたい」

「言うと思った。
っちゅーか柚、プリコレ出るからってダイエット始めたんやなかった?」


「う゛!」


そういえばそんなこともあった!

で、でも…文化祭っちゅーたら出店を回るんが一番の楽しみやろ!



「ちょっとぐらいー…」


「あかん」


「うっ…、でも6組の山崎さんのお好み焼きは神レベルて…」


「わたしは別にええねんで。柚が食べようが食べまいが。わたしは困らんし」


「でも〜…」

「見っけたでー!花風さんー!」



ダダダ


猪突猛進して来るのは笹山さん。


ウチをプリコレのモデルに選んだ人や。

あ、ちなみにプリコレは文化祭二日目の最後にあるんやで。

大きな行事らしく、フィナーレを飾るらしい。

全校生徒も他校の生徒も楽しみに見にくるらしいから、むっちゃ胸がキリキリするねんけど。



「最終打ち合わせやるで!」

「え!?今から!?」

文化祭エンジョイ出来ひんやん!


「明日の朝エンジョイしいや。ほな行くで〜」


お、鬼っ!


笹山さんはウチより気が強いっちゅーことに最近気付いた。


つまり…、逆らえんねん。


「ほなわたし彼氏んとこ行くからな〜頑張りぃや柚〜」


「ゆ、優衣〜〜〜!」



あの友人が助けてくれるわけもなく、ご満悦気味に去っていった。


「笹山さん、あの、本日文化祭でして…」

「ドレスがやっと昨日出来たんねん」


「…え!?」



あ、…手作りなん!?


この前、ドレスはどっちのデザインがいいかと聞かれて、あー誰かに借りるのかなぁ?なんて軽く考えてた。


作ったって、あんたどんだけすごいねん!
「ただの自己中女やなかったんやな!尊敬するわ!」

「おい!」
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