「…で、なんで俺を指名するんです?」
「や、やって〜〜〜!」
ウチの救いはあんたしかおらんのやもんっ!
「まぁよかったですわ、俺も。こういうの苦手やから、柚先輩が相手やと気が楽ですし」
「あー確かに…、」
光くんは愛想笑いをするタイプやないしな。
っちゅーか、光さんスーツ似合い過ぎですよ。
なんか変な色気がプンプンしてますよ、そりゃもう犯罪並みに。
「光くん、かっこいいね」
「……それ、俺に言うんですか」
「え?ほな、誰に言わなあかんの?」
「まぁ…ええですわ」
(?)
光くんは、時々分からないなぁ。
「ほな、ドンペリ行っときましょ」
「え!?ドンペリって……!」
あかんやろ!学校でお酒なんて飲みよったら、停部どころじゃ済まんに決まって……!
「ってコーラかい!」
「当たり前ですわ。酒なんて白石部長が許すわけないですし」
ちょっと…、ほんのちょっと心配したウチがアホみたいや。
「…で、昨日、元気百倍アンパンマン的な感じで白石部長の所へ行った柚先輩が、なんで昨日以上に腑抜けてるんです?」
「…腑抜けてへんもん」
逃げるように俯くと、肩を優しく押された。
自然と少し顔が上がった所を、光くんはいつになく真剣に覗き込んで来た。
「先輩、言って?」
(……えっと、)
昨日のあの光景を、説明せなあかんのかと思うと…やっぱり苦しい。
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