白兎を追いかけて | ナノ


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宛先:薮内 徹平
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薮内くんー´`)
柚だよ〜っ!

よろしくね★≡
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指がいつの間にかスラスラ動き送信ボタンをポチッとな。

別に、蔵が佐倉さんと仲良うしてるから、妬いたわけ…ちゃうし。

ただ、薮内くんに友達としてメールを送っただけや。


うん。そうや。

…そういうことに、しとって。


送信完了しましたという画面になり、深い溜め息を吐いた。


(なにやってんやろ、ウチ)




「なに大きな溜め息ついてん。幸せ逃げるで?」


キラキラとしたオーラと共に現れたのは、さっきまで佐倉さんとごっつ楽しそ〜〜〜に喋っていた(柚目線)白石さんではないですか。


なんか嫌。
…なんかムカつくわ。


「………なんやねん」


「どないした?柚?
元気ないやんか」

「…別に、」



うわー…可愛ない。

ウチったらほんま最悪。


「怒ってるんか?」

「怒ってへん」

「俺なん?」

「せやから怒ってへんて!」


伸びてきた手をパシン!と、邪気に振り払ってしまった。


(あっ、やば……。)


つい…、やってしもた。


案の定、驚く蔵。


嫌われ、た?

蔵の次の動きに体を震わせる。


なんてことをしてしまったんだ、と自重する暇もなかった。

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