「ほんまか〜〜〜っ!」
笹山さんの歓喜の叫びは、廊下中に響いた。
相当嬉しいんやろう、肩を掴まれてぐわんぐわんと前後に揺さぶられた。
「さすがスーパー少女や!スーパーに単純やねんな!わたしものっそい感動したでーーーっっ!」
あれ?
今なんか酷く馬鹿にされたような。
「お好み焼きのついでにたこ焼きも奢ってやるで!任しときーっっ」
「お…おんーっ。おおきにおきにー…」
分かったから、離してくれへんか。
むっちゃ目回るねんけど。
「ほんまおおきにな!衣装の候補が決まったらまた来るからなっ」
ほななー!と叫びながら走り去って行く笹山さん。
それはもうごっつ嬉しそうな顔で。
(…大変なことになった気がする)
まぁ…、でも、なんとかなるやろ。
っちゅーか、あれ?
なんか大切なこと、忘れてへんやろか。
「………………。」
あ、蔵。
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