無意識に眉間に皺を寄せていた。
そりゃもう眉毛がひっつくんやないのかってぐらい。
「まさか、分かってへんかったなんてこと…ないよな?」
いや、……その。
「蔵のスーツ姿を考えるだけで頭がいっぱいで…、」
考えてませんでした、はい。
そんなウチに優衣はハァーッと長いため息。
…え、今、こりゃ駄目やって聞こえたんやけど。
「ホストは喫茶店とちゃうんやで?指名を受けて、お客様にご奉仕するんがホストなんやで?」
あ、…はい。
ちゃうんですね、はい。
って、…あれ?
「ご奉仕やて―――――――!?」
ちょっ、ちょちょちょちょい待ち!
ご奉仕ってあれやろ!
相手のために至れり尽くせりしてやることやろ!
「(…ご奉仕は言い過ぎたかもな)」
相手によっては過度な命令をしてくることもあって、それにも文句言わず対応するん!?
あんなことも、こんなことも、×××なことも!?
「ごめん、ちょっと言い過ぎたか」
「アカン―――!!!」
蔵が誰かに×××なことをするなんて、考えたないわ!
「え、やからちょっと言い過ぎたってば」
(過度に集中しているためさっぱり聞こえていません)
どないすればええねん!
もう企画書を生徒会に提出したっていいよった。
変更は出来ん。
(ああ゛――――――!)
ぼんきゅっぼんのナイスバディーな美女に誘惑されたらどないしよ!
蔵が食われてしもたらどうしよ!
「あかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかんあかん」
(ショックのあまり別世界に飛んでいます)
「あんたも充分あかんと思うで」
「あー、どないしよどないしよ」
じっとしてられんわ!
(蔵の所に行かな!)
このままじゃ蔵が誰かのモンになってしまうわ――!
「堪忍な優衣!ウチ、蔵の所行かな!」
「あ―…うんうんはいはい。どこへなりとも行きたまえ」
無気力に手を振る優衣に敬礼。
陸上部も真っ青な驚異的な速さで教室からダッシュ!
待っててな蔵!
(ウチが蔵を助けるんや―――!)
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