「いつも放課後、あんな感じなん?」
「んーせやな。いっつも逃げ回っとるで」
「疲れんの?」
「疲れるっちゅーか、放課後の時間削られるのは嫌やなぁ」
「そないに運動神経ええんやから、どこかの部活に入ったらええやん。せやったら追い掛けられずに済むんちゃう?」
その才能勿体無いわー、と呟く白石プリンス。
…いやいや、全国レベルらしい白石くんには言われたくないわ。
「ウチな、運動は…嫌いやないけど好きでもないんや」
「そうなん?まぁ、見かけは運動嫌いそうに見えるわ」
確かに…自分で言うのもなんやけど不健康そうやもんな。
せやけど色白イコール運動オンチなんて方程式は間違っとるで。
「文化部も…興味ないんや。…でもなぁ、どっか入らなこの生活からは抜け出せれんわな」
「ん―――…、」
一緒に悩んでくれる白石くんを隣に、ウチの家に到着!
ほんま、送ってくれておおきに。
そう伝えようと口を開こうとすると、白石くんはなにか閃いたかのようにウチの肩を掴んだ。
「せや!テニス部のマネージャーになってや!」
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