既視感(デルムッド、ナンナ、フェルグス)





「ナンナ?」

偵察帰りに雨に降られた俺とフェルグスを出迎えてくれたナンナが、言葉を発しようとして口を少し開けたまま黙り込んでしまった。

「あ…お、おかえりなさい、お兄さま。フェルグスもお疲れさまです」

ようやっと出てきた言葉はごくありきたりな出迎えの言葉だったけれど、ナンナの視線は俺とフェルグスを行ったりきたりしていた。

「水も滴るイイオトコなもんだから見とれちまったとか?」
「あ、そうじゃなくて…」

即答で否定かよ、とボヤくフェルグスを、そういう意味ではなくて、となだめながら、

「そんな風な髪型をしているお兄さまとフェルグスが何だか似ているって…」

そんな風?と頭に手をやれば、濡れた髪が指に絡む。

「似てるかねえ?それよっか、早く着替えようぜ。風邪引いちまう」
「ああ」

先を行くフェルグスに不思議な既視感を感じながらも、俺は部屋へ急いだ。








顔の造りも雰囲気もなんとなく似ていると良いなあという希望(笑)















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