under the rose

古城の片隅に花の壁が出来た頃、兵士長殿とその部下の女性はよくそこを訪れていた。
黄色の小花と新緑がびっしりと、だが石壁からは少し離れていて、2人くらいの人間が隠れるにはとても都合が良かった。

「いつまでも…ってわけにはいかないんでしょうけど、しばらく咲いていてほしいです」

ペトラが八重の花に顔を近付けその仄かな香りを楽しむ。
その彼女のごく近くで、リヴァイは彼女の髪の香りを楽しんでいた。

「花が終わっても葉は残るんだろ」

暗に、これからもここで逢瀬を重ねられる、と言う意味合いも含めた言い方をしながらペトラを抱き寄せ、石壁にもたれ掛かった。
夜にお互いの部屋で会うことももちろん出来るが、時にはこうして穏やかな日差しの下、寛ぎたい時もある。
抱き寄せられ、ほんのりと頬を染めるペトラを明るい場所で見られることも、リヴァイの心を充たしていた。

やがてーお決まりではあるがー二人の話し声は無くなり、唇を重ねる音が微かに花の壁から洩れてきた。

花の壁は確かに二人を隠していた…脚以外は。
しかし誰も来ないなら、それは大した問題では無いのだった。







『under the rose』…秘密、という意味だそうです。
この続きっぽいのが、モブハン版『under the rose』です。
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