冷血種





※この小話は『ブツ盛りハンター〜雄狩り行こうぜ!』と云うアレな本の一部です。そんなのを載せてみますた!詳しくはこつらをどんぞ!!(※詳しくも何も…って感じですが!?)












「知っていながら犯す罪と知らずに犯す罪、どちらがより罪深いか?
…シュラは判っているよな?」

 散々殴られ蹴られ、縛り上げられ続けた手足は関節から外れた部分以外も既にあらぬ方向へ向き、内臓がどうにかなったのではないかと思う程に腹部は黒く変色し普段の涼しげな白面も色を様々に変えて腫れあがっている。

そんな身体を眺めながらアイオロスは変わらぬ笑顔で語りかける。

嘗ては冷たく硬い感触を珍しがって頻りに撫で触れ、嫌がると調子に乗って項から掻き混ぜていた大きな手で、今はシュラの前髪を鷲掴みながら。

「……ッッ、」
「抵抗しないんだな。
折角女神に戴いた再びの生を一晩で棄てるつもりか?」

止まる事を知らないかの様に流れ続ける鼻血を舐め上げ、左手をその首に掛けるとシュラの身体がビクリと緊張したのが手に伝わってきた。
だが直ぐに力を抜き、アイオロスに身を委ねる。

シュラは自らの意思でこうしてされるがまま、ボロ雑巾の様になっていた。

アイオロスからの暴力と暴言を無抵抗に受け、その結果の死を望んでいるのだ。

勿論そんな事で十三年間の逆賊の謗りや真の英雄の名誉、それに一人聖域に残されたアイオリアの悲哀や屈辱が雪がれる訳など無い。
況してや無かった事になぞなる訳もない事をシュラもよく解っていた。

だが、理解は出来ても何もせずに再びの生を生きる事等も出来ないと早計し、こうしてアイオロスに嬲られる事でとりあえず自分を誤魔化す事にしたのだ。

アイオロスの気持ちも考えも迷惑も無視して、唯只管に自分の断罪のみを考えて。

「…聖書に依れば知らずに犯す罪の方が、より重いんだ。
焼けた鉄を知ってて掴むのと、知らずに掴むのとでは後者の方がダメージが大きいんだって。」

教皇の真の姿を知りつつ仕え続けた者逹よりも、知らずに付き従って居た者逹の事を暗に揶揄するが、それすらもシュラの耳には批難の言葉へと変換されてしまっているのであろう。

そう思うとアイオロスは少し、悲しい表情で左手に力を込めるのであった。




ここから暴行致死傷害なエロに発展したいまま・<了>






[ 7/38 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]





第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -