断罪の2
「うむ。久々の緊縛だったので腕を奮ったぞ。
シュラには筋肉しか無いから筋に添って縄を走らせても面白味が無いのだ。
その分、創意工夫のし甲斐があったが。」
「一気に罪人っぽくなったな俺。アイオリア、コレ似合ってるか?」
「その、股間は痛くないのか!?
って云うか、お前は罪人なんかじゃ無いだろ!」
何故か愉しげな二人にアイオリアが戸惑っていると神官達は口寄せを始める様促す。
斯くして乙女座の黄金聖闘士の口寄せに依る、射手座黄金聖闘士の山羊座聖闘士処断会議が始まった。
暫くシャカの唱える異国の経が宮を満たし満月の夜と云う雰囲気も相まって、ここは本当に聖域なのだろうか…と、アイオリアがぼんやり思っていると何かの気配に気付き思わず身構える。
シュラも、経を唱えるシャカもそうしたのが判った瞬間、射手座の聖衣から目映い光が溢れ、気が付かなかった神官達は成す術も無く倒れ伏してしまった。
『命に別状は無いよ。
でも、これで邪魔者は居なくなったな。』
咄嗟に倒れた者達の安否を確認していたアイオリアとシュラはその懐かしい声に思わず振り返る。
と、そこには先程と変わらずにシャカが結跏趺座スタイルで座して居た。
だが、漂う懐かしい小宇宙は彼の人の物。
シャカの姿でも中身は違うと二人の身体は感じていた。
「…兄さん…?」
「アイオロスか…!?」
『二人とも、大きくなったなぁ…!』
そのたった一言に、顔はシャカのままで目も瞑ったままなのに、アイオロスの欠片を見付けてしまい二人の弟(分)は思わず涙が出そうな程感極まってしまった。
赦されるならばこのまま兄と朝まで語り尽くしたい、そうアイオリアは思うが、現実主義と云うかドライと云うか自分の罪の所在に躍起になっているシュラは挨拶もそこそこに自身の断罪話を持ち掛ける。
『でも、シュラは16年間ずっと悔いていたよね?
表面には出さなくとも心の中では。
私は知っていたし、悲しかった。
だが、それがシュラへの罰だったと、私は思うんだ。』
苦しかったよね、ごめんね?と、続けられアイオリアも『それ見た事か!』と、これでこの話は終わり!と結ぶ。
だがシュラはそんな事では自分を赦せる筈が無いと食い下がる。
その様子にアイオロスは困った顔をしていたが一転、明るく輝くイイ笑顔で一つ提案を出してきた。
『まぁ、そんなに私達から罰を受けたいならやっちゃっても良いよ?』
『結局やっちゃうのかよ!?』とアイオリアは我が耳を疑い、思わず射手座の聖衣に振り返る。
すると聖衣はいつの間にか大胆なモデルチェンジをしていた。
「…!? に、兄さん…、ソレは…!?」
『いやぁ〜、シュラのそんな姿見てたら思わず勃っちゃった★』
「勃っちゃったって、聖衣にそんな部位は無かった筈…」
射手座聖衣の股間からそびえる御立派様にアイオリアは髭が伸びる程ビックリしていた。
その長さと云い太さと云い、記憶の中の生前の兄の逸物を越える長大な御立派様。
それが人馬の馬の股間部分から生えていて、且つ勃起しているのだ。
「……………!」
突然の事態とモノの余りの大きさにシュラも呆然としていたが、意を決すると不自由な身で四つん這いになりアイオリアに叫ぶのであった。
「よし!リア!! アイオロスの所まで俺を運んでくれ!」
「ちょ、シュラ!? む、無理だ辞めろ!あんなの挿入る訳…!」
「俺は構わねェ!これで少しでも罪が…、アイオロスに償う事が出来るのならば…!」
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