よくある凌辱話





 その部屋は薄暗く、かなりの広さを有し天井も高いからなのか、男達の声も乱反射して数人しか居ない筈なのにシュラには大勢居る様に聞こえていた。

視覚を単なる布で奪われ、常に身体中を巡っていた小宇宙は神鉄の首輪と鎖に奪われ、シュラは今、只の男に成り下がっているので解らないのだ。

「おぉ、来ましたな!!」
「今宵のメインディッシュは黄金の山羊と聞きましたが、随分としおらしいですな…」
「なに、聖域に捨てられた山羊だ。
恐ろしい角も蹄も斬り落とされ、…憐れな姿じゃあないですか、」

男の言う通り、後ろ手に神鉄の鎖で縛られ首輪に繋がれヒョコヒョコ歩く姿に嘗ての風を斬り歩く不遜な黄金聖闘士の影は無かった。

シュラは脚の筋を切られ未だ新しい傷口から血を流し、それでも両の脇を雑兵に抱えられながらも懸命に歩いていた。
しかし早く寄越せと焦れた男の声に身体毎抱えられ大きなテーブルに無造作に寝かせられる。

「さあさ、お集まりの皆様、先日の魚や双子に見目は劣りますがこの山羊の鍛え上げられた見事な肢体を御賞味下さい。」

その言葉を合図に男達はテーブルににじり寄り、徐にシュラの血の気の失せた白い身体に手をのばす。

「白いな…!白くてこの滑らかな肌、尻…、素晴らしい!!」
「だが白いだけで硬い。私は先日の魚の方が…、」
「いやいや、このはしたない程デカい金玉に乳首!
ちんぽも我等より余程立派なモノで…、」
「いやぁ、この筋肉!ここまで折角鍛えたと云うのに…、」
「この聖域を裏切るとは…」

男達の手で、恐らく媚薬をたっぷりと練り込んだ香油が男達の嘲りの言葉と共にシュラの肌に塗り込まれてゆく。

性感を煽る愛撫よりも侮蔑の言葉にシュラは一々反応し、それが新鮮なのか身体を暴きながらも男達は貶める事を止めようとしない。
悔しい事に嘲りよりも、凌辱に慣れてしまった身体は勝手に反応してしまうのだ。

「あっと言う間に乳を硬く紅く美味そうに腫れ上げて…、どれ!」
「!! っ、あ…ッ!!」
「はは、伸びる伸びる!山羊の乳首はガムの様だ。」
「ーーッ!! やあッ…あぁぁっ!!」

千切れるのではないかと思う程乳首を捻り上げられ身体がそれを追って反らされるが、他の男達の手に依って四肢はテーブルに縫い付けられ、浮いた背と腰に媚薬が塗り込まれ滑る勢いで尻穴に指が殺到する。

ぐちぬちぶちゅぬちゅ。

粘着質な、まるで泥濘を掻き回す様な音を立てるシュラの尻穴は快楽と恥辱も沸き立たせた。

「ぐあッ…!はっ、がッッッ!!!!」
「おうおう!びくびくと蠢く。こっちでも確りと感じるみたいですな。」
「…全く、先日の者達と云い、黄金聖闘士ともあろう者が尻で感じる程穴を使い込んでいるとは…」
「全く。況してや嘗ての逆賊を討ち取り聖域一高潔な英雄とまで持上げられた山羊座の聖闘士が。
この様に尻で善がる男娼だったとは…」

与えられる性感と塗り込まれる侮蔑の言葉の両方が身体中で重なり、伸ばされた乳首に歯を立てられた刺激にシュラは不意に果てた。

「おぉッ!! 勿体無いな!グラスを、グラスを持て!!」
「あぁ全く、イクならイクと言わぬか融通の利かぬ山羊め!」

男達はこぞってブヂョグチョと竿を搾り、山羊乳の様に精液を次々にグラスに注ぎ飲み干す。





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