痴漢の3





 静かな男性用トイレにぬちょぐちょと卑猥な音と、二人の荒い息遣いが響きまたそれが気持ちを淫らにさせる。

「ん、シュラ、今日は積極的だね、興奮した?」
「…っさい、早くッ…、」

トイレのドアに背中を預けて対面立位な、所謂駅弁スタイルはシュラのイイ所を絶えず刺激し、場所が場所と云うのも興奮に一役買い、車内での愛撫で既にとろけていたシュラの尻穴は貪欲にアイオロスを貪る。

僅かな時間で激しく律動しあっと云う間に昂り、お互いフィニッシュが近くなるとどちらからともなく深い口付けを交わし、声と唾液を飲み込むと二人は同時に果てた。



「…カミュ…ミロを忘れて来た…」

一通り言いたい事(聖域での職務はどうしたとか、公共の乗り物であんな行為を、とか約10分間)を言ったシュラは電車の件で二人の事を思い出した。

 大人しく途中の大きな駅で降りて待っていれば良いのだが、と心配しながらカミュに小宇宙通信を試みてみる。

『…あぅッ!! こ、こちらカミュだッ…、もう八回もイっているぞ…!んぉぉ凄いぃぃぃぃッ…!!』
『イヤ、回数は報告しなくても良いから。
今何処だ?ちゃんと城戸邸最寄り駅に行ける路線に乗り換え出来たか?』
『…、すまない…次で終点らしい…』

カミュは放って置く事にしてミロにも通信を試みる。

『エロ山羊!何処行ったんだよお前!!』
『すまん忘れてた。
すまんついでにカミュが痴漢に遭っているから回収して自力で城戸邸に行け。』

エロ山羊と言われて割と酷く突き放すと通信を切りシュラ達も家路を急ぐ。

「ねぇシュラ、次降りる駅でもう一回やら」

調子に乗ったアイオロスの足に、よろけた振りで思い切り蹴りを入れて黙らせる。
シュラは悶えるアイオロスに寄りかかり、目を閉じて利用駅まで暫し眠る事にした。

絶えずミロから救助要請の小宇宙通信が入ってきているが、アイオロスも無視していた様でため息を吐くとシュラを抱き寄せ、電車の揺れに身を任せる事にした。







一方ミロは、カミュと車内で本番行為までこなした痴漢から漸く離す事に成功していた。
が、興奮が治まらないカミュに駅構内の男子トイレに連れ込まれ、気が付くと知らない土地の・しかも男子トイレの個室で一晩明かした事実に驚き、本気で朝イチでシュラに救助要請をするのであった。

 シュラとアイオロスが2人で車で迎えに来た時、ミロはシュラに抱き付いて泣き喚いていた。
もう日本の電車はイヤだと。
(昨夜抱き付かれていた巨乳はスリだった模様でミロは財布を抜き取られていた。)




痴漢電車22時・<了>


この話はアレな小話の12に繋がってたり、そうでもなかったりします…。








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