痴態の2





 シュラは体育座りで15才達に混ざって困っていた。

「なッ!? すげぇだろー!?」

ムードメーカーな星矢だけが興奮していて氷河は無表情、瞬はアイスに専念し、紫龍は目のやり所に困って目を閉じて居た。

「ンだよ折角人のお宝DVDを…!!」
「でもコレじゃ日本語の勉強にならないって。
女優不細工だし。何?この金髪。」

 AVの内容は金髪の女が二人組の暴漢達に輪姦される所謂レイプ物であった。
辛辣な評価を下す瞬に星矢は尚も食い下がる。

「エロエロなAVなら世界共通だろ!?
シュラだって好きだろこういうの!?
好きな物で勉強する方が効率良いって聞いたし…。」

「え!? …イヤ…」
「好きなのはお前だけの様だな星矢!」

「我が師もこういうのに出て居たが相手は女性では無かったぞ?
シベリアとは何か違う種類なのか?シュラ?」

次々と居たたまれなくなる様な事を質問され、更に部屋は気まずい雰囲気になる。

「そういえばジュネさんも…」

瞬が思い出して言い掛けた瞬間、ストッキングを被った下半身露出男とパンツ一丁のゴーグル男に挟まれた全裸のミロが現れた。

「か、カミュ!?」
「ミロ何やって…マッパ!?」
「ストッキングマスク…!」

先程まで観ていたAVと奇しくも似た様な姿の3人組に驚く少年達の横で、シュラが素早く窓を開けてベランダから3人を纏めて投げ捨てる。(※四階)

「シュラ!? ちょっと!!」
「今のは不審者だ。健全な性少年達に仇なす者共だ。
ちょっとシメてくる。」

と、云うや否や飛び降りると階下から派手な打撃音が暫く聞こえてきた。

静かになると隣部屋からギリシャ語の罵倒が聞こえてきたので少年達は隣部屋に移動する事にした。

 部屋内では3人組が正座してシュラに説教されていた。

「だからムウに言えって!
俺達は訓練でこんな姿にだな、」
「一体何の訓練だ!! 恥を知れ!
何も知らぬ少年達の目の前で…、」
「俺は被害者だっつのシュラ〜!」
「私も未だ入れて貰っていないのだ!!
それより貴方、先程氷河と一緒に居たな!?
氷河に何もしていないだろうな!?」
「黙れ猥褻物め!! しかも誰が何をだと!?」

日本に来てからまるで空気の様だったシュラが生き生きとして見えて紫龍は驚き、矢張り言語と文化の違いで苦労をしていたのだな、と失礼で的外れな+憐憫の情まで籠もったお母さん目線で見守っていた。

 氷河は師が、クールにも程があるパンツ一丁+水中ゴーグルなゲイAV的出立ちで現れた事に戸惑いつつも歓喜に包まれていた。

「カミュよ!お久し振りです!
先程もAVとやらを観ながらカミュを思い出していました!」

「AVだぁ!? 健全な性少年にお前こそ何観せてんだこのエロ山羊!」
「俺が観せる訳あるか!!
星矢の私物だ!!」
「え?何?日本のAVあんの?どうだった??」

興味津々なミロは全裸のまま隣部屋に行こうとしてシュラに襟首を捕まえられる
(※全裸なので皮膚を鷲掴み)

賑やかさは絶好調となるがそこに聖域からムウがやって来た。







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