シュラの状況説明
意外に音が響くな。と思いながら膝立ちの姿勢のまま、真上から架けていた力を抜きながら鼻でゆっくりと息を吸い上げた。
最後の仕上げとばかりに舌全体で竿の血管を拡げる様に舐め上げたシュラの耳にアイオリアの呻き声が入ってきた。
フェラチオは無心になれるから昔から得意だったな、と椅子に腰掛け仰け反るアイオリアをチラリと上目遣いで見上げる。
深いストロークと強いバキュームを施しながら思わず自笑を漏らしてしまい、鼻息が陰毛に当たったのが良かったのか、アイオリアはシュラの頭を引き離す前に暴発してしまい、少量の青臭い液体がジーンズにまで零れてしまった。
「…ッ!わ、悪い!」
「…イヤ、」
液を拭おうと左手がつい、宙を舞うと、更にアイオリアは情けない顔になってしまった。
今夜はこれで終わりだなと胸元と太股の精液をアイオリアに拭いて貰いながら自身の腕を見つめる。
「その、どうにかならないのか…?」
アイオリアもシュラの左腕を見ていたらしく、何度も言った言葉を思わず漏らした。
「サガがどうにかなったらな。」
アイオリアどころか、他の仲間達も侍従や、顔の知らない女官神官文官に果ては聖域の裾野に広がる村人までもが、女神にシュラの左腕を再生する様嘆願をしている。
言われずもがな女神自身も『いつでもOK』と、くっつける旨をシュラに伝えているのだが肝心のシュラが頭を縦に振らない。
先程漏らした様にサガを気にしている為だ。
シュラにしてみれば自分の不徳で無くなった腕よりも、必要とされ蘇ったのに何らかの原因で意識が戻らないサガの意識の方が重要で、女神の奇蹟はそちらに配されるべきであり云々…。
そんな訳で気にしないのは本人ばかりであった。
可哀想な程気にしているのは紫龍だ。
「俺が貴方の左腕になる!」
とまで宣言していたが、星矢が
「それじゃあ俺はカシオスの耳にならなきゃいけないのかよ…」
と呟き、女神はサガよりも先にカシオスの左耳に奇跡を施してみせる一幕もあった。
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