紫の毒薔薇の人の2
アフロディーテが瞬への嫌がらせ予告を生き生きとしていると、瞬が背後からサガごと必殺技をかけ色々薙ぎ倒す。
奇跡的に軽傷のデスマスクの前髪を掴むと
「聖域に帰って?」
と微笑みかけ、デスマスクが無言で頷くと3人組は消え去るのであった。
そこへ携帯片手に紫龍がやって来た。
「あぁ、居たぞ。おい二人共、シュラがやっと目を覚ましたぞ。
今迄アフロディーテのバラにやられていたそうだ…何?今すぐ逃げろ?」
「もう遅いよ…。3人なら帰ったよ?そう伝えてよ。」
「?帰ったそうだ…ってシュラ!?」
紫龍の携帯から叫び声が聞こえ、思わず耳から放すとアフロディーテの声も入って来た。
「覚えていろアンドロメダ!
お前の事を今日から聖域で『アンドロペニス』と呼んでやる!!」
「…ぺ!? 何ソレ!」
「ペニス増大器の名だな。我が師もプレイ用に使用して…。」
氷河が説明していると瞬が笑顔のまま紫龍の携帯を握り潰しながら歩き出す。
「星矢、僕ちょっとアパートに忘れ物取りに行くから。」
思わず冷や汗が出る様な瞬の雰囲気に、3人は頷くしかなかった。
そしてやや音速でアパートに戻ると、シュラがまたバラにやられて満水の風呂に頭を突っ込んだまま寝ていた。
今度はサガも一緒だった。
黄金聖闘士だから溺死はしないだろう、と瞬は放っておいてアフロディーテの気配を辿る。
すると星矢から小宇宙通信が入って来た。
『瞬?今すぐ戻れ!アフロディーテは学校に戻って…アレ!? 消えた…?』
不可解な事だらけだが聖域にお礼参りするのは後にするとして、瞬はとりあえず学校へと戻るのであった。
サガとシュラはそのままで。
不思議な事に身の回りにはそれ以降何も変わり無く過ぎ、数日後、瞬は文化祭の演劇に出演する。
童話をアレンジした話で、瞬は王子様役であったがその劇中もアフロディーテの妨害なども無く、弟を心配して駆け付けた一輝も拍子抜けする程であった。
しかし舞台終了後。
「瞬!? 大丈夫か?」
それまで何とも無かった様に見えた瞬がふらつきながら降りて来たので、一輝達は思わず駆け寄る。
「何で!? 今まで何とも無かったのに…!?」
下肢に違和感を感じたと瞬が洩らすので、衣装を脱がしてみるとタイツから極太蛇腹バイブが出て来た。
「おわッ!!?? ちょ、瞬!?」
「何でこんな物が…!? ハッ!? 何か変な感じがすると思ったらコレか…!?」
「お前、気付けよー!!」
「魚め…!靴に画ビョウどころかタイツにバイブだなんて…卑怯な!」
「イヤ履く前に気付けよ!? そんなデカイの!」
そんなデカイのが挿入っていた割に何とも無かった瞬にツッコミを通り越して恐怖を感じた星矢達を無視して改めてアフロディーテに数倍のお礼参りをする決意を固める瞬であった。
そしてその頃、サガとシュラは暫く誰にも気付かれず風呂に頭を沈めていた為、仲良く冥界に出戻りを果たしていたのであった。
紫の毒薔薇の人・<了>
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