紫の毒薔薇の人





「放せ!何故止める!?」
「ダメに決まってるだろ!どう考えても!!」

ある日星矢達が登校していると、学校前の通りで外国人成人男性が何だか揉めていた。
遠目にも目立つ3人組はアフロディーテとサガとデスマスクであった。

「…帰ろうか?未だこっちに気付いていないよ今なら…。」
「イヤ、マズイだろ…。放っといたら。」
「だが今回はサガが居るからな…。すぐ帰るのではないか?」

アフロディーテが居ると判ると、瞬が真っ先に帰ろうとして星矢が押し留め、氷河がクールに分析する。
紫龍はとりあえずシュラに電話をしてみていた。

「…出ないな。今日は居る筈だったが…。」

そうこうしている内に星矢達は3人組に見付かり近付かれてしまい、逃げ道を失ってしまう。

「アンドロメダ!! やっとお出ましか!
私を待たせるとは偉くなったものだな!」
「こっちは待ち合わせた覚えなんか無いから!何のつもりなの!?」

アフロディーテがサガに卍固めを極めながら片足で器用に歩いて来て、早速瞬に喧嘩を売る。
デスマスクも缶コーヒーを飲みながら近付いて来てサガの代わりに挨拶をする。

「よ〜ぉ、クソガキ共。
今日はディテが瞬ちゃんに用があって来た訳よ。」
「あぁ!? クソガキだぁ!? 本物の蟹みたいにまた泡を吹かせてやるぞ!?」
「泡じゃなくて汁でも良いぜ?この蟹棒からな〜
「うわ…朝から下ネタだよ…。」
「我が師も朝から潮を噴いていたが!」

氷河のドヤ顔師匠ネタには誰も突っ込む事は無かったがサガが渾身の力でアフロディーテを振り払った。

「ッ、朝、からっ!止めんかー!!!!」

未だ登校時間中で遠巻きにこちらを注目している学生達や周囲に配慮し、アフロディーテを上空に飛ばすとサガは星矢達に別れと謝罪を告げる。

「今すぐ私達は帰る!騒がせて済まなかった!!(落下して来たアフロディーテをキャッチ)デスマスク!帰るぞ!!」
「ダメだ!折角のチャンスなのに…!お願いだサガ!!」
「え〜と…、何があったんだ?」

星矢が尚、説明を求めるが丁度始業のベルが鳴り響く。

色々気にはなったが先ずは出席せねば!と未だ揉めている3人を置いて星矢達は走った。

クラスに着くとあの3人は何なのか、先生や生徒達に聞かれるが笑って誤魔化すしか星矢達には出来なかった。
校門を見ると3人の姿は無かったので一先ず安心して一限二限と授業をこなす。

三限目から文化祭の準備に充てられ、星矢は速攻で校庭へと飛び出す。
すると、居た。
3人組は体育館裏で未だ揉めていた。

今度はアフロディーテがサガに4の字固めを食らっている。

「おぉ、星矢か!! 済まない、未だディテが諦めなくてな!」
「ど、どうしたんだ一体!?」

話せば長くなるが…、と前置きサガが語り出す。

「アンドロメダが祭で演劇に出るとカミュ経由で聞いてな、『演劇ならガラスの/仮面!そしてバラの人!!
ついでにマヤに嫉妬する女役も私が纏めてやってくれよう!!』とだな…、」
「要するに邪魔しに来たのか。」
「邪魔では無い!! アンドロメダの衣装を切り刻んでみたり、靴に画ビョウを仕込んだり、毒バラを楽屋に送ったり…それから、え〜っと、」
「ネビュラストーム!!」








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