ナウシカの3
親友をフォローする良い奴全開なミロは、今回本気で怒り狂って聖域入りしたシュラをアルデバランと共に必死で宥めて落ち着かせ、後に『聖域のWナウシカ』と呼ばれる程のイイ奴っぷりを見せていた。
「…お前も考えてみれば、いつもカミュに振り回され酷い目に遭っているのに…」
「俺はカミュの親友だからな!! それにさっきも言った通り普段はクールで良い奴なんだ。
魚介類やアイオロスもさ…、」
「あの変態と魚介類は普段から悪事しか働かん。冥界でもそうだったよな?」
「え?あぁ…アイツ等か。確かに…」
冥界での様々な事件を思い出し、更にげんなりするマン公。
「冥界?何?アンタも冥界に居たの?
その眉毛、もしかしてそういう地獄に居たから?」
「どんな地獄だ!だから俺は冥界三巨頭ラダ「マン公お代わりは?無くなっているぞ?」
マン公に残りの酒を全部注いでスコッチを一瓶頼むとシュラも酒を煽る。
「この人はな冥界のエリート官僚でな。職場の人間関係を相談していた所なんだ…」
「エリート!凄ぇな!?
…でも相談って、お前水臭いぞ!!
聖域には俺やアルやリアも居るだろ!?」
リアの名前に動きを止めるシュラに、ミロはしまった!と思い更にフォローを続ける。
「イヤ、その、リアもショックで全部忘れ…たり…とか…」
喋りながらも延々と飲み続けるシュラの目が段々座って来て、フォローにならないフォローを懸命に続けるミロはまたしても王蟲を説得するナウシカになっていた。
そして遂に起爆剤が小宇宙を辿って店にやって来た。
「ここに居たのか!! 探したぞ御主人様!」
カノンが走っていると聖域外周の村から悲鳴が聞こえて来て、更に急ぎ現場に駆け付けるとカミュが直立スタイルでフッ飛んで来てカノンは思わず避けて見守ってしまった。
カミュは遥か海岸へと消えてミロがそれを追いかける。
マン公の声が聞こえたのでそちらに向かうとマン公がシュラを羽交い締めにしていた。
「放せ!! アイツを殺して俺も死ぬ!!」
「だから落ち着け!それでは何も解決しな…カノン!! コイツをどうにかしろ!」
カノンは本日二回目の修羅場にうんざりして、ジャイアントスイングでカミュを飛ばしたシュラを必殺技でマン公ごと飛ばし、周囲で見守っていた村人に被害届は聖域に宜しくね☆と言い垂れて海岸へと逃げ帰った。
砂浜は黄金聖闘士で賑わっていた。
サガは砂から頭だけを出し、カミュは砂浜に逆さまに刺さってミロが掘り出している。
「貴方の仕業ですか?カミュが足先まで埋まってしまい、ミロと貴鬼が発掘作業中です。」
とムウがカノンに説明してくれた。
しかし肝心のマン公とシュラが見当たらず探しているとシャカが教えてくれた。
「海の家に落ちて来そうだったのでな、危ないと思い他に飛ばした。」
シャカの説明終了と同時に聖域の上の方で爆発が起きる。
「あぁ、獅子宮に落ちたかな?」
確信犯の笑顔でシャカとムウが笑うとカノンはまたも走り出した。
サガは頭を蹴られ過ぎて仕事を忘れ(失神しただけ)獅子宮に落ちたシュラと頭をぶつけたアイオリアもショックで色々忘れ、ついでに砂に埋まったカミュも色々忘れ、計らずも聖域は少し平和を取り戻した。
本人達が忘れても周囲が忘れてなどいない事を忘れて。
人体実験とナウシカ・<了>
この話の続きはエロス大盛の15みたいです…。
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