おさんぽミロ体操着編





 ミロは毎朝の聖域視察を日課にしていた。
それはもっぱら甦り再びの生を受けてからの話で、その前までは黄金は規律に縛られ滅多に聖域内とは云え下界近くの村まで出歩く事など無かったし、行く必要も無かった。
(諸々の用事なぞ侍従の仕事だし下界に出る時も通る必要性の無い方向だった)

そんな訳でこの下界近くの住民達にとって聖闘士、ましてや黄金位なんぞ聖域に暮らしてはいても見た事は余り無い存在であった。
その稀少な黄金聖闘士のミロが朝は必ずこの村をうろつくのでちょっとしたアイドルの出待ち状態になってたりする。

 待ち構えているのは市場のおばちゃんだったり、ギリシャ神話大好き!が高じて聖域暮らしを始めた学者や、お忍び見学の下界のパトロンな金持ちやら様々であった。

そして今朝も出待ちの人達の前にミロは現れた。

日本の体操着とブルマ姿で。

日本文化を知らない人達は、紺色のブルマはそれ何?下着?ブリーフ?
何で胸元に名前?何で髪型が三つ編み?
そもそもアレはいつもの蠍座の黄金聖闘士のミロ様?と困惑していた。



「…見ろ。やはりこの姿はおかしいんだ…。」
「おかしいくなぞ無い!! これはれっきとした体操着だ!
機能性に優れ蒸れたブルマは後で楽しめるし何よりも隠微なのだ!」
「その隠微なのがダメなんじゃねぇのかな…。」

今朝は水瓶座のカミュ(やっぱり体操着+三つ編み+ニーハイ)
まで一緒だと云うのにいつもと違って遠巻きに見守る人達に、ミロは寂しさを覚えながらも一応村を一周すると聖域中心部へ戻って行く。

 道中カミュのブルマから何かコードがハミ出ていたので、ミロが引っ張るとカミュが身悶えし始めた。

「んあぁぁぁぁッ!!そっ、そんなイキナリっ!?
ローターが抜けちゃうぅぅッ!!!!」
「何入れてンだよカミュー!」

矢張りと云うか何と云うか、カミュはブルマ内に何かを仕込んでいた。
つまりこれは体操着の野外羞恥プレイであった事にやっとミロは気付いた。
途端に己の姿が恥ずかしくなり走って帰ろうとする。

が、

「だ、駄目ぇ!! 走ったらブルマに恥ずかしいシミが付いちゃうぅぅぅ!!」
「じゃあ脱げよ!海岸近いから洗って帰るぞ!?」

と、ミロのもっともな意見にカミュは上気した顔で頷くと、ブルマを膝までずり下ろし既に先走りの汁で濡れた半勃ちの竿を震わせた。

「…こんな往来で脱げと強要されるとは…!恥ずかしいッ!!
誰か通ったら見られるがやむなし!! むしろ見て欲しい…!」
「強要してねぇよ!! 見せるなよ!! もう、置いて行くぞ!?」
「あぁッ!? まさかの放置宣言!分かったのだ…!!
置いて行くならこの跳び縄で私を縛ってから行くが良い!!」

カミュはミロに背を向けて後ろ手を高く掲げると、土下座の要領で座り腰を高く上げてスタンバイする。

しかし今度こそミロは全てを無視して聖域へと戻って行くのであった。









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