聖域緊縛07時の2





 ミロが義務の様に突っ込むがドMスイッチの入ったカミュには愛弟子の声も届かない様だ。
(ミロのツッコミはカミュの中では合いの手と化しています)

「気でも違ったか!? 瞬!」
思わず氷河が声をかけると、一仕事終えて清々しい表情の瞬がやっと顔を向けた。

「あ、おはよ氷河!」
「爽やかだなオイ!」

「アレ?皆さんもご一緒で…と、アフロ…ディーテも…。」
「お前の仕業かアンドロメダ!! 何故私の所にあんな物を置いた!
蟹はどうでも良いが!!」
「緊縛の本を嫌がらせに僕の部屋の前に捨てて行った人が悪いと思うけど!?」

そんな事知らない!と身に覚えが無い話をされ怒るアフロディーテだが、2人の話を聞いていて氷河は思い出した。

「…その本って確か、シュラが捨てたんじゃなかったか?」

正確には「カミュが」買って「シュラに」捨て「られた」のだが、その説明は氷河の台詞からはずっぽし抜けていた。

「…シュラだったのか…。あたかも僕の私物の様にドアポストにご丁寧に表紙を向けて差し込んだのは…!!
すっごく恥ずかしかったんだから!お陰で暫く変な噂が立ったんだから!!
夜な夜な男を連れ込んで縄と戯れてるとか…!」

と、当時を思い出したのか顔を真っ赤にして怒り狂う。
(夜な夜な一輝を連れ込んでいたのは正解)

つまり犯人に報復する為に、兄を手土産にシャカに頼んでまで聖域に乗り込んで来たのだ瞬は。

アフロディーテは氷河の不足気味な説明に気が付いていたがここはシュラに罪を被せしらばっくれる事にしてここぞとばかりに瞬を責める。

「じゃあ私も蟹も関係無いのに不快な目に遭わされたのだな。
蟹はどうでも良いけど!」
「う…。」

端から犯人と決め付けられアフロディーテは渡鬼の姑バリにいびり始める。
だが、

「どうでも良いならどうでも良いではないか。
さぁ解散だ!シャカも2人を日本に返してやってく「お願いだ!! 私にも縄を施してはくれまいか!?」
「か、カミュ!?」

折角サガが纏めてくれたのにカミュが我慢の限界なのか、期待に潤んだ瞳で土下座をしながら懇願して来た。

「ほう、君はお願いをするのにそんな態度なのかね。」

カミュの緊縛には興味は無いのだが、土下座に反応したシャカがその前に立ちはだかる。

「イヤ、土下座してんじゃん…。」

これ以上どうするのか見当が付かないミロが突っ込むと

「真剣味と創意工夫が足りなかったか…!流石はシャカ!
最も神に近い男!!…、
この卑しい雌豚にどうか縄をくれてやって下さい!
いやらしく疼く肉穴からはしたない期待汁を垂らすこの私めに!!」

とカミュは服を脱ぎながら尚も懇願する。

しかし瞬は

「じゃあシュラに文句言いたいんで帰ります。」

と兄を天井から下ろしながら聞いちゃいなかった。










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