聖域緊縛07時





 アフロディーテが聖域の私邸寝室で薔薇の香りと共に目覚めると、枕元にある一冊の本が置いてあった。
本のタイトルは『縄師一代・世界緊縛残酷美』
そしてその本の横にデスマスクが後ろ手に縛られ、下肢は胡坐をかいたまま、足と首を縄で繋げられた格好で転がっていた。

「おはよ…」
「…おぅ…」

普通にデスマスクと挨拶を交すとアフロディーテは寝室を出てパジャマ姿(全裸+シャネルの5番)のまま外に飛び出し絶叫した。

 教皇宮で既に始業していたサガがアフロディーテの叫び声に驚いて駆け付けてみると、全裸のアフロディーテがカミュと何やら言い争っているのが見えた。

「だから、私達は知らないと…!!」
「ドMの淫乱水瓶しかこんな事しないだろ!? 言え!何が目的だ!?」
「我が師は淫乱では無い!見境が無いだけだ!!」
「氷河、それフォローになってねぇから!!」

カミュを擁護する弟子とミロも混ざって朝から実に騒々しい。

その内見物人も増えて来て、とりあえず全裸はマズいのでサガは関係者全員を双魚宮隣のアフロディーテの私邸に引き上げさせた。

寝室では無理な姿勢が祟ったのかデスマスクが変な顔色になって泡を噴く代わりに息をしていなかった。

「大変だディテ!! 蟹が泡噴いているぞ!?」
「蟹は泡を噴くものです!! それより何故こんな物をこんな事にした!?」
「だから知らないと言って…!? この本は!」
「カミュ、知ってんの?」
「うむ…、少し前に日本へ行った時に日本語の勉強の為、私が買った本だ…!!
シュラに見付かり即捨てられた筈の物が何故ここに!?」
「そうか、蟹はこれを元に縛られたのか…起きろ!! 蟹!!」
「シュラに捨てられた本なら緊縛犯はシュラじゃん!」

しかし何故アフロディーテの枕元に、デスマスクと共に本まで置かれていたのか、サガが疑問に思っていると意外な所から犯人が出て来た。
それは瞬であった。

息を吹き返したデスマスクが証言したのである。

まずムウに瞬を連れて来たか聞いてみると知らないと言う。
瞬はテレポート出来るとは聞いていないし、走って聖域入りする様な非常識な子でも無い(双子の弟やミロはよくやりますが)

…そんな訳でシャカに聞きに処女宮行ってみると、瞬は居た。
最愛の兄を、シャカの目の前で吊り緊縛と云う難易度の高い技で辱めながら。

シャカも瞬の縄さばきと、一輝の裸体と云うキャンバスに美しく描かれる縄目に感心し、うっとりと指で縄を辿っては眺めていた。

「ほう、弟の手に寄って縛られてはまるで別人の様に大人しいではないか…。」
「大人しいって云うかソレ息してるのか!?」

やっぱり変な顔色になっている一輝に瞬は無言で容赦なく縄をかけてゆく。

固い結び目が若い身体を這い、股縄は特に執拗に括られアヌスを刺激する位置に極大の結び目があり、縄は肉竿に結ばれ完結している。

決して痛みと羞恥だけを与えるだけではないその残酷美に、自身が縛られた姿を想像したのか妖しい疼きに炙られカミュが思わず羨望の声をあげる。

「あぁッ…!! 何て素晴らしいご褒美…!羨ましいのだ!!」
「イヤあれ死んでね?」










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