エレション(略)の2





「大体、俺は明後日から女神に付き従ってベトナム入りする予定なんだ。
準備で貴様等に構ってる暇なぞ…」
「構わなくて良いって!日本滞在中お前の部屋使わせて貰って、ついでにカードと車も借りて遊び倒すだけで良いから!!」
「煩い帰れ!! ディテ!
変なボタンを押すな!田舎のこ…」

 興味深くエレベーターを見ていたアフロディーテに忠告すると、驚いた弾みで緊急ボタンを押してしまいエレベーターは一瞬暗くなったと思うと止まってしまった。

「……魚…」
「わ、私は悪く無いぞ!? シュラが急に大声を出すから…」

言い訳をするアフロディーテを退かし、外部へ連絡を試みる。

しかし混雑中とのアナウンスが入りどうやら凄いタイミングの停電の様だと分かり一先ず3人はほっとする。

「しっかし警備本部入ってるビルで停電すんなって!予備電源は?」

文句を垂れるデスマスクが静かになったアフロディーテを見ると、シュラの尻を注視していた。

「ディテたん、どしたの?」
「…デス、エレベーター内でセックルした事はあるか?」
「…無ェなぁ…」

不敵な笑みを浮かべると二人は外部と連絡を取っていたシュラに一斉に飛び掛かる。

「!? 何、だっ!? いえ、こちらの話、で…ッ!! う…!」

アフロディーテが前から(前方下から)デスマスクが後ろから抱き付いて来たので躱したり受け流したりしていたが、電話を勝手に切られる頃にはズボンからはシュラの息子がハミ出て、スーツは着崩れネクタイで後ろ手に縛られた何ともマニアックな姿にされたシュラが居た。

ハミ出た山羊息子を啣えるアフロディーテを蹴り飛ばそうとする足を押さえ、デスマスクは耳を嬲りながら尻を捏ね回す。

施される前後の愛撫にシュラの口から吐息が漏れ始めたのを確認していざ挿入!(魚は山羊のちんこに・蟹は山羊の尻に)となった時、エレベーターは不意に明かるさを取り戻した。

箱はゆっくりと動き直ぐに下の階に止まってしまった。

扉の向こうには連絡を受けて駆け付けた作業員達の気配を感じる。
シュラはなんとか逃げようと藻掻くが話を聞かない二人は離れようとしない。

どうにも危機的な状況でシュラが取った行動はエレベータから脱出する事であった。
上部の開閉扉を確認すると、頭突きの要領でジャンプして二人を振るい落とす。

箱内で扉が開き、下半身丸出しで倒れている二人にどよめくのが聞こえると、着衣を戻してケーブルを伝い、警護の教習中に覚えた作業用連絡通路庫内に逃げ込み難を逃れたのであった。

 逃走中にシュラは黄金位だからといっても学ぶ事を馬鹿にせず、知識は矢張り重要なのだと実感し、ミロ達に再び啓蒙する決意をするのであった。
(そして直ぐにまた屁理屈を捏ねられ逃げられるのだが)

 残された二人は不審者として扱われ(テレポートで直に来た為ミロ達と違い正規の入館許可を得ていなかった)
危うく、警察→パスポート無し→入管にGO!コースを辿る所であったが、何食わぬ顔でやって来たシュラに助けられ貸しを作った魚介類達であった。

 思えばシュラも密入国者であるが、デスマスクがそれに気が付いたのは日本でみっちり教習を受けて観光どころではなく、ぐったりしながら聖域に戻ってベッドに入り横になった頃であった。

 べトナム行きの沙織に付いて出国手続きをする段階でやっと気が付き、結局飛行機に同乗出来ず走ってベトナム入りをするであろうシュラをからかってやろうと思うと元気が出て来たデスマスクであった。




エレベーター・アクション(性的な)・<了>






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