紫のパンツの人話
いつもと確実に違うアイオリアに、アフロディーテは教皇の魔皇拳の威力を改めて思い知った。
「リアた〜ん、ほ〜らこの間シュラと撮ったハメ撮りショットだよ〜?」
「……。」
反応が無い事を面白がり、秘蔵映像まで持ち出したのに未だアイオリアは前を向いて前進する。
ただひたすら己の守護すべき宮へ戻り、来る女神と正義を掲げる青銅達を迎え撃つ為に。
青銅と云えばアイオリアは、日本で件の青銅達に諭されてこんな目にあったのではないかと思い、そいつ等を驚かす為にもう少し悪戯をしてみる事にした。
カミュもいつもと違うアイオリアに少しばかり違和感を感じていた。
頭に紫のTバックパンツを被り、獅子座の黄金聖衣の上からはアニメキャラクターのプリントTシャツを重ね着している。
「…アイオリア、聖域に偽女神と造反聖闘士達が登って…来るぞ?その格好では…」
「……。」
珍しくも常識的なカミュの控え目な注意にも、アイオリアは反応せず只自宮へと進む。
無視され少しムッとしたカミュは最低限の威力で氷を作り、アイオリアのうなじから聖衣内に入れてみる。
しかしやはり反応は無く、溶けた氷は背中を伝い尻付近で滲み出しまるで粗相をした様になってしまった。
シュラはアイオリアの変わり様に魔皇拳と気付き、嘆くと共にサガへの憎しみを新たにしていた。
「アイオリア、魔皇拳を掛けられた上そんな姿に…!」
しかも良く見るとTバックは自分の物で、慌てて脱がそうとして思わず頭に手が当たってしまった。
瞬間迎撃されシュラの身体は床に引き倒される。
握ったパンツは顔面に移動し、更に酷い姿になったアイオリアに驚いた隙に腹部を蹴られ壁に叩きつけられる。
このままアイオリアに殺されるのかと、ふと思った瞬間サガが小宇宙通信をしてきた。
『何やってんだ貴様等は。』
「誰のせいだと思っている!?
このままでは自宮守護なぞ出来んぞ!
どうにかしろ!」
アイオリアの攻撃を躱しながら叫ぶシュラにサガが楽しそうに応える。
『正気に戻すには目の前の敵が死なねばならんのはお前も知ってるだろう、
だが正気に戻されても貴様にいなくなられても困る。
そこでだ、アイオリアの興奮を治めろ。それで通常モードになる。
以上だ。』
以上って…と思いながら蹴りを避けた瞬間、興奮を治める意味が分かった。
勃起しているのだアイオリアは。
ままよと局部を掴むと猫型ロボットのしっぽの様に動きを止める事が出来た。
「…口か…」
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