壁説明の3
「止めて、下さいッ!止めろ!! 隣に、モゴッ!?」
「幼なじみが寝てて薄い壁一枚先には未成年が寝てるって?興奮するなぁ…!」
宣言通り何時の間にか作成した猿轡を噛まされながらも必死で抵抗をしていると、寝ていた筈の魚介類の視線と起き上がる気配を感じ、遂にシュラは死を覚悟した。
「ライトニング小プラズマ!!」
控え目ながらも眩い光と、ご近所を考慮した低騒音が部屋を満たし、目を開けるとそこにはアイオリアが立って居た。
兄と周りに居た魚介類を感電させながら。
「…大丈夫か!」
アイオロスに身体を舐められていたシュラも感電してしまい、満足に動けずにいるとアイオリアにお姫様抱っこで助けだされた。
「なん、で、」
「シャカがな、東京バナナを買って来いと、急に…」
「あり、がと…」
部屋は肉の焦げる匂いに満ちていたが二人の胸には違う物が満ちていた。
暫くそうしているとシャカが遅れてやって来て、転がっている奴等の回収宣言をしてくれた。
律儀なシュラは居酒屋で貰った飴で済まないが、とシャカに土産に渡した。が、
「…『Hな気分になる飴』だと…?君はこの様な物を食べるから襲われたのでは無いのかね!?」
「は?」
日本語を読めないシュラは何の話か分からず驚くがアイオリアも確認して矢張り怒り始めた。
「!! Hな気分だと!?恥を知れ!」
やがてその話は過去の話題を盛り込んだ痴話喧嘩にまで発展し、隣の星矢が怒鳴り込んで来るまで誤解は解けず、神に最も近い男に余す所無く二人の関係はバレまくるのであった。
「…君達の様な者達を世間ではバカップルと云うのだな。」
星矢に説明を受け、最初に誤解をした癖に偉そうな捨て台詞と共にシャカはアイオリア(シュラの怒りの聖剣小拔刀によって全裸)を連れて帰って行った。
残された星矢はとりあえず帰り、疲れたシュラは焦げ臭い部屋でやっと眠りに付いた。
シャカが当初の目的を忘れ、アイオロス達を聖域に戻しておらず隣の部屋に未だ居る事を忘れたまま。
寝室に転がる3人が目を覚まし、こちらにやって来る気配を感じないまま。
小宇宙と言語の壁説明・3<了>
因にエロ話の方に続きみたいなのがありました。(エロス大盛の10)
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