小宇宙と言語の壁説明・1





 はっきり言ってシュラは困っていた。

夜明け前の聖域からムウに頼んで日本に戻して貰ったのだが、時差を忘れていて日本では晩飯時で人様の家にお邪魔するのは憚れる時間帯であった。

沙織はその日の内にシュラが城戸邸に戻って来ても、聖闘士専用アパート部屋に放り込むつもりだったので問題無かったのだが、変に律儀なシュラは一晩どこかで明かしてから、明朝改めて伺おうと考えた。

 そんな訳で任務の時と違い、概ね自由行動な故に日本の知識に乏しいシュラは城戸邸から少し離れた地方都市で路頭に迷って居た。

 とりあえずホテルにと思って入った先はまさかのハッテンサウナだった。
身と尻に危険を感じ叫びながら逃げ出た後、食事をしようと店に入ったらメニューが読めず、空腹のまま道にも迷い、情けない事この上無しと思いながら遂に星矢個人に小宇宙通信で助けを求める事にした。

 が、何故か蟹と魚まで救助に来て速攻でバカにされ思わず聖剣拔刀し星矢に止められ現在に至る。

「ダメダメダメ!破壊活動ダメ絶対!!」
「俺達、親友のシュラの助けを求める小宇宙を転送されて、居ても立ってもらんなくてよー!」
「そうそう!朝まで飲んでたら『たつけてー(ノд<。)゜。』なんて届いたから放っとけないしー!」
「貴様等に救助要請はしていない!! 俺は星矢に、」
「別に俺は大丈夫って言ったんだけど時間が時間だったから、沙織さんが保護者同伴じゃなければ補導されますよ!って聖域に連絡しちゃってさー…」

 他に大人は幾らでも居る筈なのに、女神の采配に悪意を感じざる得ないシュラであった。

「それで?とりあえず飯食う?」
「んだな。俺達も朝飯未だっーか飲み足りねぇ…」
「未だ飲むのか貴様…。帰れ!とっとと帰れ!!」
「シュラちゃんそんな事言って良いのォ?これが私達じゃなくて新教皇様だったら…

 アイオロスが単品で来ていたら、星矢を置いてホテルに連れ込まれ地獄を見るのが容易に想像出来、思わず身震いをしていると店に着いて入店を星矢に促された。

「ま、とりあえず飯飯!勿論シュラの奢りだろ!?」
「星矢はな。そこの魚介類は自腹だ。」
「だから、そんな事云うと新教皇様に「ご新規五名様でーす!」

「……何で…居る?」

 店先で揉めていると先程から話に出ていたアイオロス新教皇がちゃっかり混ざって居た。






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