おっぱい地獄
「じゃあよ、モンゴル女とかは?」
「ある!モンゴル相撲ファイターともな…しかもネコ役。」
「すっげぇぇぇ!!」
「デブもアリか…やるな…!」
昼休みの執務室でカノンを中心に魚と蟹と牛で猥談に花を咲かせていると、カノンの意外な性的嗜好や肉体関係遍歴の話になり、世界制覇に近いのは誰か!? 的な事にまで発展していた。
聖域には聖闘士は勿論、神官文官女官や侍従も世界各地から集まっていて、何とも国際色豊かな土地でもあった。
とは云えユーロ圏の人間の方が圧倒的に多いのだが、知らない国に興味は尽きぬ物で、それが女体の神秘ともなれば飽くなき探求心が湧き上がると云う物。
「では…冥界はぁ?」
「海界はぁぁぁ?」
顕らかに元彼(ソレント)と今彼(ラダマン)を揶揄され、
「どっちも良いモンだよぉぉぉ?!」
と、バカ面で答えているとサガが広辞苑をブン投げて来た。
「昼休み終了!どこかの山羊が逃げたから仕事は腐る程あるぞ!働け!!」
何時の間にか昼休憩から戻って来たサガに文句を云い垂れながら、各々席に着き次から次へと増える案件を捌いて行く。
広辞苑を抱えたままカノンもPCを立ち上げるが、頭の中は先程名前が出たソレントとラダマンティスの事で一杯おっぱいのままだ。
当然腕は動かずぼんやり勃起していると突然ソレを握られ叫び声を上げてしまい、またサガに漢和辞典を投げつけられた。
「ミロ!てめぇ…!!」
「何で執務室でおっ立ててんだお前…。」
漢和辞典を抱えながらミロが今度は爪先でカノンの股間を撫で擦る。
「やめろマジに。仕事中の皆さんの目の前で撒き散らしちまう!」
「良いじゃん出せよ、ホラ…」
「あぁッ!ら、らめぇ!!」
「鼻血を撒き散らさせてやるから二人共廊下に出ろやコラ。」
何で俺も!? と叫ぶミロとカノンがサガに引き摺られ退場すると廊下から激しい殴打音が響いて来た。
それを聞きながら
「俺も女神に頼んで逃げっかなー」
とデスマスクがぼやく。
「無理だろお前は。この帳簿の山と架空口座の整理と黒サガの隠し子の始末、お前の仕事だろが。」
「始末って怖いわー!この冷血魚!お前こそ逃げんなよ?!」
「誰が逃げるか!こちとら毎晩疲れてヨレたサガに乗っかるのが楽しみなんだぞ!!」
「…毎晩は可哀想だぞアフロディーテ…。」
人が良いのが災いしてか、シュラの代りに彼が残した仕事を手伝うアルデバランはやはり良い人発言で場を和ませる。
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