ミロの2





「ちょ、イジメ格好悪い!!」

 思わずミロが叫びながら駆け寄ると

「人聞きの悪い。コレは奴の子供時代との決別の儀式だ。」等と反された。

訳の判らぬまま『幼少期の他者との同一性視的疑似恋愛からの脱却』だの『異性を認められた童貞の記念すべき一歩』だの説明され、ミロは花とカモメの卵を御供えするしかその場を離れる手段を見つけられなかった。

 無人の天秤宮で昨夜仕掛けた虫カゴにカブトムシと訳の判らぬ幼虫(後にミューと判明)が入っているのを確認・収容し、自宮に置いて人馬宮に入る。

 奥の私邸から微かにシュラの悲鳴を聞いた気がするが厄介事は無視する事に決め、無人の磨羯宮を抜けやっと目当ての宝瓶宮にたどり着いた。






 カミュは朝御飯を用意してミロを快く迎えてくれた。

この数日、愛弟子が日本に帰ってしまい元気が無かったカミュだったが、今朝は少し紅潮した顔で何だか艶めかしく感じる。

「何か今朝のカミュ、えっち臭いな。」
「ふふ、分かるか?実は今朝オロナミン☆Cを飲んでな。空き瓶が丁度氷河サイズって事に気が付いたのだ。」
「のだって、まさか…」

 カミュはニンマリ笑って後ろを向く。
すると尻部分が不自然に突起していてつまり…。

「こ!このオナニストめ!!変態ッ!」
「あぁッ!!下腹に響くぅ!」

カミュはミロの思わず出た罵声にも感じ、身悶えしながら前屈みになる。
すると当然尻の突起は前に引っ張られ食い込む。

「んぉぉ!さ、先のローターの、振動が…ッ!おふッ!!」
「何仕込んでんだよカミュゥー!」

やがて動きを止めて数十秒後、カミュが再び振り返ると爽やかな笑顔になっていた。

「カミュのバカー!!」

目の前のオナニーショーに耐えきれなくなってミロは宝瓶宮を飛び出し、無人の双魚宮も走り抜け教皇宮に着く。

「な、何だミロ!? 登庁には未だ早くな…!?」

サガが謁見の間で全裸で玉座に跨り、M字開脚をしていた。

 聖域の今後や、その玉座、後でアイオロスが座るんだよね、とか色々と頭をよぎったがミロの取った行動は後で皆にサガのオナニー話をバラ撒いてやろう、と教皇宮からUターンする事であった。

 暫く走っているとデスマスクとカノンが階段を登って来たのと鉢合わせた。
早速先程の話を…と思ったが二人の食べている物をみて躊躇する。

 カノンは澱粉をお湯で溶いて砂糖と混ぜた入院老人しか食べない様な物を、貰った澱粉全て投入して作って食べていたのだ。
意外に付き合いの良いデスマスクにも押し付けてねちょねちょと啜りながら歩く二人の姿を見て、カミュやサガが出したであろう粘液を思わず連想したミロは
『カノンやデスマスクがネコ役もアリだな…』
と思わず萌えたのであった。




聖戦後の状況説明・2<了>




[ 13/100 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -