アイオリアの3




 その姿を見送り、土下座の姿勢のままのシュラと車椅子故に変な姿勢のサガに、アイオロスとアイオリアの兄弟が近づいて来た。

「私は本当にお前達に…」
サガが上半身前屈なまま、
「…何を言っても気は済まないが俺は、」

シュラが土下座の姿勢で謝罪をし始める。

他の黄金達はいつもの4人の断罪&懺悔と謝辞合戦の毎日恒例のアレかと呆れ、各々の私邸へと帰って行った。

「二人共、そんなポーズだとうなじがガッツリ見えてえっちだぞ?」
「「?!」」

突如聞こえた言葉のあんまりな意味が分からない、とばかりに思わず顔を上げると満面の笑顔のアイオロスが勃起しながら仁王立ちし、アイオリアがそれを見て二人と共に驚愕していた。

「サガ、私は初めて聖域に来た時からお前に一目惚れしていた…。
全てにおいて完璧なお前をいつか汚してやろう等と、奸な想いまで抱いていたのだ。…すまない。」
「あ、ああ?」

「シュラ、14年前お前が寄せる恋慕の想いに気付きながら身体だけ弄んだ私を許して欲しい。」
「い、今言わなくとも…!」

突然のアイオロスのカミングアウトとフル勃起姿にサガは顔色を青くし、シュラは赤くし、アイオリアは真っ白になっていた。

その姿を見ながらアイオロスはアイオリアにも微笑みかける。

「アイオリア、お前も二人に何かあるなら言っておけ。」
「あ?えっと…特には…」

しかし、背中を叩かれ促されるが何せ兄の直立傾斜な勃起に意識が行き、アイオリアは頭が回らない。

「で、お前はサガとシュラと、どっちとデキているんだ?」
「アイオロス!?」
「サガ、お前まさかアイオリアまで…!」

兄の股関をガン見している内に三角関係から自分を含めて四角?え、コレって何角?な話題に発展しているがアイオリアは『兄が何故フル勃起なのか』に気を取られ未だ頭の整理が着かない。

しかも

「サガ!私と云う者が居ながら…!」
「サガ…、お前…」

帰ったと思っていたアフロディーテとカノンまで絡んで来た。

 とは云え絡んでいるのは主にアフロディーテだけで、サガに12宮編で氷河を暖めた時の瞬並の足絡技を披露し、股間をグイグイ押し付けるセクハラを働いて居る。

他の3人はサガの助けを求める叫びを無視し、いつしか昔のサガ話で盛り上がっていた。

一人残されたテンパったままのアイオリアは先程の兄の、兄が促すカミングアウト的な事に脳がやっと追い付き、同時に《兄がシュラを狙っているのでは?!》と云う結論に達し、《このままでは俺とシュラの間が引き裂かれる!?》→《ならば兄に内密に!》→の流れになり…、

「俺は魔鈴が好きだ!!」
と回答をする。

その叫び声は聖域の麓の村まで聞こえる程だったと云う。






 その数日後、シュラは女神に直訴し一時山羊座聖衣を返上し、段ボール聖闘士となるべく日本へと転任する事となる。



アイオリアの状況説明 <了>



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