アイオリアの状況説明





 女神・沙織が日本に帰国する3日前のある晴れた日。

働き盛りのいい年した大人12人が集まって、世話になりっ放しになってしまった少年少女達を見送る為、細やかなお見送り会を開催する事となった。

しかし、大人達は10個の椅子の前で困惑していた。

「フルーツバスケットォォォ!!!!」
「…は?」

新教皇の掛け声に思わず素で返したミロがアルデバランの巨尻に横凪ぎに倒される。

「ッ…!(尻に吹き飛ばされ宙を舞う)→んなーッ!?(車田落ち)」

「はい、ミロが1回目の鬼ー!」
「す、すまん!反射でつい…生きてるか!? ミロ!!」
「小宇宙使用禁止とは云え尻だけでこの威力…、正に黄金の野牛!しかし何故フルーツバスケット!?」

ミロが顔を上げると他の仲間達はちゃっかり椅子に座って居た。

しかし、困惑しながらもミロと同じ思いだった様で口々に経緯やルールの説明を求め始めた。

 審判役の星矢がルール説明をし、アイオロスが『14歳な沙織達も楽しめる、且つ黄金聖闘士達の人となりを少しでも理解して戴ける様なレクリエーションがコレ!』と、元気に経緯を説明してくれた。

「コレで人となりが理解できんのか?」
「…レクリエーションで勝ち負けあんの?」

色々と疑問が湧き出るが、勝負を出され俄然ヤル気を起こしたミロの最初の掛け声に、やはり条件反射で黄金達は一斉に動いた。

『実はキノコ類が苦手な奴!』

これにシャカとアフロディーテが飛び跳ねる。






「…ところでサガ、やはり車椅子でフルーツバスケット参戦は辞めた方が良かったのでは?」

これまでに《実はバラの匂いが苦手》や《本当はスイカが苦手》等、主に食べ物関連の話題に、キャッキャと黄金の鎧を着込んだ男達が椅子取りゲームに夢中になっていた。

「気にするなカミュよ、このサガ、例えアフロディーテに椅子替わりに座られていても女神の為なら這ってでも勝ってみせよう…」
「イヤ、ルール的に椅子、座りっ放しは反則なのでは…」

反則と云われすんごい顔になったサガの耳に次の掛け声が入って来た。

『アテナを殺しかけた奴。』
「……。」

それまで和やかだったアテナ神殿は、容赦の無いシュラの掛け声に一瞬にして北海道の2月頃な気温になってしまった。






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