ペガサス竿の3





「あぁッ!! 何故逃げるのだ!?」
「当り前だろ!もう帰れよアンタ等!」

星矢が半泣きで叫ぶとカミュも負けじと叫んだ。

「イヤ!私はこの部屋に住む!! そして星矢のペガサスに跨りシュラの使用済みな下着等に囲まれて生活を…「いい加減にせんか!!」

星矢は久々にツッコミ聖剣を見てやっとまともな大人の出現に心底安心して思わず涙を流す。

聖域からやって来たのは時給制の任務な為、半日過ぎても任務完了の報告が無い事に腹を立てたムウ(今回の任務采配者)に様子を見て来いと、病み上がりなのに転送されたこの部屋の元・住人だったシュラであった。

ツッコミに因りシベリア師弟は窓を突き破って仲良く階下に落ち、返す刀でついでに魚介類も珍装のまま階下に叩き落とす。

涙を流す星矢と二人きりになって改めてシュラは未成年者に申し訳無い事をしたと反省する。
(しかし高々部屋の片付けを頼んだだけでこんな危機的状況になるとは思ってもいなかったのだが)

「…その、大丈夫だったか?」
「ッ…!俺っ、そんなに巨根なのか…ッ!?」

ボロボロと涙を流す年相応な泣き顔だが、原因となる大人顔負けな逸物を晒しながらの問い掛けにシュラは本当に申し訳無くなるが上手い事慰める事が出来ない。

そうこうしている内に部屋にシベリア師弟と魚介類はぞろぞろと戻って来た。

「酷ェじゃねーかシュラ!俺等はただ見てただけだぜ?そいつ等と違って。」
「そうだ!部屋を片付けていただけの心の友を何故蹴り落とす!?」
「何が見てただけだこの変態供!! 大体そんな格好一体何処から…「「お前のベッド下から見付けた。」」

一瞬時が止まったがシュラがそんな訳あるか!と怒りはじめたので遂に星矢は真相を開かす事にする。

結果、魚介類は無言で撃沈しカミュは益々興奮する。

「素敵だロス!女装で攻めるとは…タチの新境地!
氷河も見習って常に創意工夫を続けるが良い!」
「だから未成年者にそういう事を奨めるのはやめろ犯罪者!もう貴様等は聖域に帰れ!」

どうせまともに働いていたのは星矢だけだろう、と続く労いの言葉に星矢は更に感極まり思わずシュラに抱き付く。

その姿にカミュはある確信を持ち星矢同様シュラに抱き付き問い掛ける。

「シュラ…、貴方まさかロスの人馬竿やリアの獅子竿だけでは物足りず天馬竿まで…!?
ずるいのだ!」

二本の巨根を思い浮かべ勃起するカミュと、先程のカミュの愛撫の余韻で半勃起する星矢に抱き付かれ困惑するシュラに更に氷河が抱き付いて来た。

「我が師のタチなら俺のタチも同然!星矢!シュラ!俺を抱け!!」
「「何でだーッ!?」」






 結局、カオスと化したこの部屋にカミュが住む事はなかった。

沙織が星矢を狙う男(変態)をわざわざ隣近所に住まわせるなど許す筈が無かったのだ。
貞操を女神に守られた形になった星矢であったが後に
「俺って童貞卒業すんのいつになると思う…?」
と、瞬に相談する姿が見られたと云う。




ペガサス竿幻想・<了>

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