↑の説明の2




 女神も夏休みは後僅かで暫くは日本に戻らなければならない。

女神とは云え義務教育中なのだ。

 そんな訳でアイオリアは説得をしに頻繁にシュラの元を訪れ、それを適当にあしらうシュラはアイオリアに鍛練をふっかけてみたり雄を慰めたりしてはぐらかしていた。

 黄金聖闘士は相互不可侵の規律があるが、微妙な因縁から2人は生活も身体も繋げる事が多かったので、お互いにお互いをあしらう方法を身に付けていたのであった。

 アイオリアはシュラを通してアイオロスを想い、シュラはアイオリアにアイオロスを見る。

2人は歪み、捻れ合いながらも共に成長を重ねて来た。
だが死がその歪を別ち、再びの生と甦ったアイオロスに2人は歪んだまま、なんとなく戸惑う日々が始まった。

 そして今、自宮に隣接した私邸の風呂場へと移動をしながらシュラは近づくアイオロスの気配から逃げる。
アイオリアの腕を引きながら。

 アイオロスは新教皇に就任したにも関わらず人馬宮横の私邸を修築し、生前と変わらぬ生活を営んでいるので磨羯宮を行き来すればシュラを訪ねる事もある。
但し、今迄2人が乳繰り合って居る時に訪ねて来る様な事は無かったのだが。

そのアイオロスが真っ直ぐ自分達を追い掛けて来ている。
何事かと訝しんで居ると洗面所の扉が開き派手な音と共にアイオロスが飛び込んで来た。

「シュラ!腕をくっつけよう!」






 サガが意識を取り戻したのだ。

女神のお使いで冥界に行っていたデスマスクが、蘇らなかった前教皇シオンと老師を前に全裸正座で泣きながら説教されているサガに遭遇し、連れ還って来たのであった。

口淫の余韻と感傷に浸っていた2人は甦ったサガの小宇宙に気が付かず、アイオロスが教えに来たと云う訳であった。

「…ところで2人は何やっていたんだ?」
「…フェ「鍛練だ!! 」

アイオロスに尋ねられ、素直に答えようとしたシュラに尻キックをかまし、アイオリアは慌てて誤魔化しながらサガの病室へと向かうべく、洗面所から飛び出して行ってしまった。

尻を押さえ踞るシュラをアイオロスは真顔で見つめて居るのに気が付かないまま。



シュラの状況説明・<了>


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