精液と愛液が混じり合った物がほんのり染まった肌の上を流れ落ちていく。
それはたらたらと円やかな曲線を伝い、床に水溜まりを作るのに絡まり繋がった雌雄は離れる気配がない。
ふんわりとしたスカートは押し潰されてしわくちゃでそのままではとても外に出られないくらい色々な物で汚れてしまっていたが構わず捲り上げ、剥き出しになった足を開かせながら腰を揺さぶっていた。
ぐちゅぐちゅと湿った音とむせ返るような臭いが部屋を満たす。
「はぁ、お嬢様…お嬢様…」
「あんっ、エリック、いいっ…、もっと、もっと突いてェ…!」
異質な空間、歪な行為。
一定の距離を保ち、内情はともかく表面上は穏やかな主従であったはずの二人はベッドの上で絡み合っていた。
黒の執事服から勃ったものを取り出し、主人に深く埋めてゆさゆさと腰を揺らしているエリックの顔は恍惚一色で彼女とこうなる事に対する罪悪感はなかった。
いや、初めの内は苦渋そのものだったがあの城を離れ、この家に移り住んでからは一度も見受けられなかった。
――オーランドがコレットの結婚相手であると言う事であの騒動に一時、決着を着け、城を出たコレットはいつの間にか用意されていたここに押し込められていた。
とても高貴な身分の彼女に対する行いではないものの最早オーランドの人形となっていた彼女からは非難の声が上がるはずもなく、毎日を閉じ込められたまま過ごしている。
そして期日を終え、役目から解放されたはずのエリックも一緒にこの小さな家に身を落としていた。
オーランドは貴族であるが軍人だ。城を後にした以上、次の仕事がある。オーランドは一日中コレットの相手をしていられない代わりに彼女に彼女の執事を与えたのだ。
如何な強力な媚薬と言えどそう長期間効くはずもないのだが何度となく与えられ、完全に快楽に依存してしまっていた。初めの投薬で理性が壊れてしまった時点でエリックもまたオーランドの都合の良い人形だった。
「はぁ、はぁっ、はぁ…!」
汗を全身から流し、エリックの雄がコレットの中で暴れる。
主従であるはずの彼らだったがこの家に移り住んでからは二対である時間の方が少ない。特にエリックは恋心を秘めていた分、愛する人を抱いている興奮が性欲の昂りに拍車をかけていて果てても果てても次がやって来る。
青と白のドレスの胸元を本来の彼ならあり得ないほどに乱暴に解き、胸をまさぐるが肌以外の物が彼女の肢体を隠し、それが鬱陶しいのか眉をしかめた。
「…っ、服なんて今更…着る必要あるんでしょうか…。どうせすぐに濡れてぐちゃぐちゃになってしまいますのに…っ」
「だって、あんっ、オーランドが…オーランドがたまには着てろって…」
絶大な快楽をもたらす薬を数度与えられたコレットは最早依存に陥っている。そしてそれを与えてくれるオーランドは恋人として過ごしていた面影はなく、逆らい難いご主人様以外の何者でもなかった。
元々コレットの執事のエリックも従属するようにオーランドには逆らえず、今回も戯れなオーランドの提案に渋々ながら着衣していた。
行為の音に混じり、珍しく衣擦れの音がする中で不意にコレットが零れるように笑った。
「お嬢様?」
脈絡のないコレットの笑いに久し振りに意識が弾かれる感覚を覚え、緩く相貌を崩す幼い主人を見詰める。
「…どうなさいましたか?お嬢様」
「あっ、ううん。ごめんなさい…。何でもないの」
「構いませんよ…、仰って下さい」
開けた意識がまた迫り上がる何かに飲み込まれるのを感じるが無理矢理押さえ込み、続きを促す。本能に従っている時よりも明確に脈打つ自身にもどかしさを通り越して苦痛を感じる。
コレットも同じなのか眉間に時折皺を寄せている。
「あの…ね、エリック。エリックは嫌かもしれないけど…私、執事服のエリックを見れて嬉しい。その格好のエリックが凄く好きなの…。ずっと昔から凄く…」
「っ!…お嬢様…!」
愛して止まないお嬢様からの好意の言葉に手繰り寄せていた理性の糸を再び見失ったのか、衝動的に抱き締めて唇を啄みながら腰を押し進めた。数回行き来し、やはり隙間からの侵入にもどかしくなったのか一旦抜き、ショーツを引き裂くように脱がすと深々と根元まで埋め込んだ。
「あっ、エリック…!は…ああぁ…っ」
「お嬢様、お嬢様っ…!あなたがお望みなら私は…何でも…ぁ、はぁ、ああっ…!」
射精を促すような細かい動きに荒々しさが見え始めた頃、一際コレットの声が高く伸びた。
白濁を流し込むエリックの背中には大粒の汗が浮いている。
場所も立場も現在も未来も何もかも忘れ、恍惚に満たされた一瞬に深く唇を合わせた。
オーランドルートのBADにも関わらず、エリックの余り出張り方にプレイ中は本気で思わずガッツポーズを取りました←
ただ一杯活躍してくれて嬉しいは嬉しいんですが…コレットどころかエリックまで巻き添えに堕ちてしまった所が複雑で…。エリックが幸せならそれでもいいんですが……お嬢様と結ばれて理性は置いといて本心ではお前少しでも幸せか…?(´・ω・`)