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「#幼馴染」のBL小説を読む
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非日常日記


〇月四日

先輩含むブチャラティさんのチームのアジトに軟禁されました。この文面だと何か怪しい雰囲気が出てしまいましたが、そんなわけでは全くありません。なんでも小さなギャング組織が私を狙っているらしいとのこと。理由は先輩を再起不能にしたいからだろう、だそうです。なぜ先輩なんだろう、とか、もし私を殺したとして本当に先輩が使えなくなるのか、とか、そんな疑問は残りますが。いや、それならちょっと嬉しいんですけどね。詳しいことは説明されなかったからなあ。
まあそんなわけで私はその方が始末されるまでここで生活するということです。娯楽はありますがやっぱり暇なので、このノートに軟禁日記を書きます。ところで私は誰に向かってこんな説明をしているんでしょうか。


〇月五日

今日はフーゴさんとナランチャくんがお勉強会を開いていました。微笑ましいと思っていましたが、なんとナランチャくんが問題を一つ間違えた瞬間、なんと彼はナランチャくんを傍にあったフォークで刺したのです!! とても衝撃的すぎて、フーゴさんの怒鳴り声だとか、彼にナイフを突きつけるナランチャくんの声は耳に入ってこないくらいです。後でフーゴさんに騒がしくてすみませんと謝られたけど、なんとなくDV彼氏に通じる何かを感じる……。


〇月六日

今日はミスタさんが一緒にお喋りに付き合ってくれました。私の誕生日が四月だと言ったら意味の分からないことを叫ばれました。ものすごい剣幕ですごくびっくりした。ブチャラティさんが止めてくれなかったらどうなっていたことだろう。ミスタさんに4という数字、出来事は禁句らしい。そういえば、おばあちゃん住む日本でも4は縁起が悪いらしい。でもミスタさんはそんなこと知らないみたいだから、彼自身の経験上の理由なんだろうな。


〇月七日

ちょっと気になるケーキのお店があったので買いに行きたいと先輩に言ったら同伴で行くことになりました。結構人気で行列もできてたのに、一緒に並んでくれました。すごく美味しかったです。


〇月八日

今日はブチャラティさんが近所のおばあちゃんからリンゴを貰ってきていました。でもどうやらリンゴが苦手だそうです。私が食べようとも思いましたが、とても食べきれる量ではありませんでした。だから日本人の祖母に習った 「飾り切り」 というものをやってみました。葉っぱと兎の形に切ったらとても喜んでくれて、一緒にリンゴを食べました。やっぱり克服は出来なかったみたいですけど、喜んでもらえて嬉しかったです。


〇月十日

いちにち空いてしまいました。実はナランチャくんがジェラートのお店に連れて行ってくれたのですが、その先で例の私を狙っている方に見つかってしまったのです。ナランチャくんがやっつけてくれたのですが、その死体があまりにも穴だらけで。こういうものを見るのは慣れていたので少し聞いてみたのですが、企業秘密だそうです。

ナランチャくんはフーゴくんにめちゃくちゃ怒られていました。ついでに先輩にも殴られていました。怖かったけど同時にすごく悲しくて、後でナランチャくんに謝ったら傷だらけの顔で 「どうってことない」 と笑ってくれました。ごめんねナランチャくん。連れて行ってくれたお店のジェラート、美味しかったよ。


〇月十一日

私を狙っていた人は昨日ナランチャくんがぶっ殺してくれたので、今日このアジトを出ます。家に帰ったらまず掃除をしなきゃなあ。あ、あとこの日記は続けようと思います。でも先輩に見つからないようにしないと。




2019.1.7