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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

Smettila!!!
※もし暗チに加入してたら
※謎時空
※ネームレス
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俺達のチームは報酬が少なすぎることをはじめ散々なことが多くあったが、これはその中でも一、二を争う出来事なのかもしれない。

「う、ううっ」

今俺の前で啜り泣いている彼女は、端的に言えばボスに押し付けられた人間というのが正しかった。スタンド能力がかなり使えるものだということで無理矢理加入させたはいいが、日本人だから平和ボケが過ぎているのでここで少し矯正させてほしい、と言うところだろうか。

「おいおい、泣くなよ。折角の可愛い顔が台無しだろう」
「うう、う、私、これからどうなっちゃうんですかあ、」

生憎彼女は照れる余裕はなさそうだ。見たところ麻薬もやっておらず健康。性格……は今のところ分からないか。いや、人相でも見れば少しは……

「……」
「な、なんですか……」

彼女の座るソファの背に手を乗せて距離を詰めると、彼女は涙を拭うのさえもできないほど体をぴたりと硬直させて、こちらをじっと見つめた。怒りっぽい性格を表す眉間の皺は、ほとんど見られない。双眸には零れそうで零れない涙の玉。まるで水晶だ。鏡と向き合っているかのようにうっすら自分が映り込んでいて、きらりと照明の光に反射している。

そこに吸い込まれるように、俺の体は勝手に動いていた。


「……ぎゃっ!? な、なにして、なな、なんで涙舐め……」
「ふむ、A型だな」
「〜〜!」

あんなにも必死に球の形を留めていた涙の粒は呆気なく口の中で広がって、やがて消えていった。彼女の方はすっかり顔色を青くして、信じられないとでも言うようにわなわなと体を震わせている。でもそこで腹を立ててビンタをしてこない限り、やはり良い母親にはなれなさそうだ。

「別に血液型を調べる意図は無かったんだ。指の味でも分かるしな。ただキミの涙の形がスゴク綺麗で、思わず見とれてしまったんだ」

「〜〜だっ、だから! 貴方は! 私を! いったいどうしたいんですかー!?」



あっその表情! ディ・モールト良い!




2019.2.19