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蛇柱継子による継子日記




これこれを少しずつ混ぜたもの。


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○月一日

伊黒さんに手帳を貰った。でも使い道が思い浮かばなかったから今日から日記帳として使うことにする。見られたら恥ずかしいのでこれは棚の一番奥にしまっておこうと思う。飽きるまではできるだけ続けたいなあ。


○月二日

今日は太刀筋矯正をしてもらった。隠の人たちを数十人連れてきたかと思うと、柱に括りつけて障害物にしていた。“後藤”という隠の人を思い切り木刀でぶっ叩いてしまったので申し訳なかった。謝りたかったけど、伊黒さんが別に良いと言っていたのでやめた。


○月三日

伊黒さんの蛇と遊んだ。鼠をあげたら喜んでいてとてもかわいかった。でも調子に乗りすぎて首を絞められて死にそうになっていたところを伊黒さんに助けてもらった。怒られた蛇がしゅんとしていてかわいかった。


○月四日

今のところ三日坊主にならずに続けられている。伊黒さんにも怪しまれてなくて良かった。
ところで今日から一週間ほど甘露寺さんがここで過ごすことになるらしい。甘露寺さんがくると伊黒さんが異常に大人しくなる。そのくせに誰か客人が来て甘露寺さんや私に話しかけようとするとめちゃくちゃ睨むしネチネチ嫌味を言うので、このときの伊黒さんはあまり好きじゃない。


○月五日

伊黒さんの不機嫌度がマックスになっていた。理由は私の同期である炭治郎くんがここへ訪問したことで、元々気に入らなかったらしい彼を伊黒さんが虐めていた。可哀想だったけど、甘露寺さんが用意してくれたパンケーキがおいしそうだったので放っておいた。


○月六日

甘露寺さんと伊黒さんと私でご飯を食べた。伊黒さんはとても少食だから、こうして一緒に食べるのは久しぶりだ。私は伊黒さんの継子とは言えど食べる量は当たり前だが全然違う。私の気の所為なのかもしれないが、伊黒さんはいつも私や甘露寺さんの食べっぷりばかり見ているような気がしてならない。そうだとしたら結構恥ずかしいのでやめてほしい。


○月九日

熱を出していたので二日ほど空いてしまった。甘露寺さんと伊黒さんが二十四時間ずっと一緒にいてくれたのでこれを書けなかった。残念。今も襖から日頃から体調管理をしろだとか、体調はどう? だとか心配の声が聞こえるから、もうそろそろ返事をしてあげよう。


○月十日

指令が来たので明日から三日ほどここにいない。甘露寺さんとのお別れの日に会えないのは寂しいけど、きっとあの人のことだからすぐにまた会いに来てくれるだろう。任務に行く日の朝は必ず伊黒さんがネチネチ私に小言を言ってくるから、そんなことをするなら行かないでと素直を言ってくれれば良いのに。……いや、素直な伊黒さんなんて伊黒さんじゃないな。



○月十一日

忘れ物をしていないか確認していたらこれを見つけちゃった。なまえちゃんは伊黒さんのことが大好きなのね。かわいいわ。なまえちゃんと言う通り、近いうちにまたこの屋敷に来るわね。あれ、これじゃあ誰が書いたのか分からないわ。最後に名前でも書いておこうかな。

甘露寺 蜜璃




○月十二日

甘露寺がなにやらこそこそしていたから、気になってなまえの部屋を散策してみればいとも簡単にこれが見つかった。彼奴のことだから元々仕舞っていた場所が分からなくなって適当な場所に片付けたのだろう。
ところでなまえ、俺はお前に任務に行って欲しくないなんてことは全く思っていない。勘違いするなよ。小言を言うのもお前が鬼に殺されたら夢見が悪くなるから言ってるんだ。
だいたいお前は俺の話を全く聞いていなし、唯一聞くのは助言だけで、ほかのことには耳も傾けない。俺はお前の師範なのだから少しは敬ってもらわないと困るな。だが、昨日の甘露寺の文章を見ているとそれは思い違いだったみたいだから、今回だけは許してやる。次からは態度で証明しないと本当に許さないからな。

伊黒


○月十三日

ただいま。見た。もう最悪T=”△^ヽ¥’$#¥
もう日記はやめる。これは伊黒さんの机に置いときます。ちゃんと日記書いてあげてくださいね。これが私の伊黒さんへの気持ちです。ついでに甘露寺さんにならって私も名前を書いておきますね

みょうじ なまえ





2018.11.1




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