ビビリな子SS集(相手視点Ver.)
ビビリな子SS集 のお相手視点。
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あるときなまえは、俺と居ると惨めな気持ちになる、なんて言っていた。彼女によるとそれは俺がひどいくらいに優しいから、らしい。それは褒められているとかいないとかいう以前にただただ彼女を騙している罪悪感のようなもので心が染まってしまう。そもそも優しいやつは初めからギャングなんかにならないんだぜ。だからきみが無理して弱音を言うまいとしているのだって、気付かないふりをしてやるつもりは無いんだからな。
ブローノ・ブチャラティ/
初めはただ五月蝿いやつだと思っていた。口を開いたかと思えば死ぬからごめんなさいだの弱音ばかり。こいつと任務に行くと聞いたときはナランチャ以上にキレてしまうんじゃあないか、とも思った。なのにこれはなんだ、死んじゃうと連呼しながら敵対していた組織の男達をただの肉片にしてゆくこの様は。今僕に向かってメインとも言えるイチゴケーキのイチゴを差し出してくれている人間と同一人物なんてとても信じられないんだが。
パンナコッタ・フーゴ/
間一髪だった。もしなまえがいなければ今頃致命傷を負っていただろう。一言礼を言おうと彼女の方を向いてみたら、思わず息を呑んでしまった。「お、おまえ、なんで泣いてんだよ……さっきのは俺のミスだろーが! お前は! 俺を助けた立場なんだぜ?」 「ううう、違うの、ナランチャが死ぬと思ったからぁ、よかったああ」 カッコ悪いのは俺の方のくせに、それ以上に不格好に顔を濡らして俺を抱き締めてきたなまえに、俺は苦しくなりながらもその背中に手を回した。
ナランチャ・ギルガ/
そんなことを言うもんじゃない、と自分より随分低い位置にある頭を引っぱたくなんて、他の仲間に見られれば 「柄じゃねえな」 なんて言われていた決まっている。しかし残念ながら怯えたようにこちらを見た彼女の目からして、きっと呆れられたんだろうな、みたいなネガティブなことを考えられてしまったに違いないのだろう。やはり自分らしくないことはするもんじゃないなとひとり大きくため息をついた。
レオーネ・アバッキオ/
ピストルズで一番の泣き虫に慰められているなんて、なんて情けないやつなんだろうと思った。でもなまえを見ていると、この泣き虫が二人いるかのように思えてくる。くだらねーの、なんて嘲笑ってやったら、彼女は不満そうに眉を顰めた。これから頭をぐしゃぐしゃに撫でてやったら、こいつがどんな顔をするのか楽しみだな。
グイード・ミスタ/
「貴方は本気でチームを追い出されると考えているんですか?」 そう言ってやったのはいつだっただろうか。当時瞼を腫らしていた彼女の不安を解いたのは間違いなく僕だった。ただ厳密に言えば彼女は追い出されるんじゃあなくて、チームの中で存在感が薄れ、やがて忘れられてしまうことを恐れていたのだろう。優しく声をかける度に、僕さえも貴方に忘れられることを恐れてしまっているなんてことは貴方はきっと知らないんでしょうね。
ジョルノ・ジョバァーナ/
隣からの視線はこれでもかというほど私へと注がれた。最初は頭、そして上半身から下半身へ。でも舐めるように、なんて比喩は付けられなくて、ただ興味津々なだけ、という感じだった。それでもいい加減耐えられなくなって、「何か用?」 とできるだけ冷たい口調で言ってみた。彼女が他より一般人に近い格好と雰囲気だったのがそうした理由だ。すると彼女は焦ったように腕をあちこちに動かして、「と、と、トリッシュは、あの、オシャレだなーと思っ、て……」 。
その様子にあまりにも拍子抜けしてしまって、固まっていた表情筋が少し解れてしまった。
トリッシュ・ウナ/
2019.1.17
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