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ビビリな子SS集




ネタ帳より 護チ+トリッシュ
ジョルノだけ原作後

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言っちゃだめ、言っちゃだめ。あの人に心配かけちゃうから、言っちゃだめ。ただでさえ優しいのに。その優しさに甘えてしまったら、自分が惨めな気持ちになるって分かってるのに。ああでも言わないと不安で不安で死んでしまいそう! 「……無理はしなくていいんだぜ」 「ごめんなさいごめんなさい! 私ぜったい死んじゃうから供え物準備しててください!」

ブローノ・ブチャラティ/




「フーゴ、いつも弱音ばっかでごめんなさい」 そう言って私はケーキの上のイチゴをひとつ差し出した。彼は面食らったような表情をして、なんですかいきなり、と怪訝な目で私を見た。なんとなく何も言えずに黙り込んでいると、彼はいつもより比較的優しい口調で、「貴方のそれは不安を解消するために行っていることだということはちゃんと分かってますよ」 と言った。呆然としているうちに、フーゴは私の差し出したイチゴを一口で頬張ってしまった。

パンナコッタ・フーゴ/



ぼろぼろぼろ。視界が潤んでもやもやする。目尻から頬に温かい液体が伝って、外気に触れかけた鼻水を啜った。「お、おまえ、なんで泣いてんだよ……さっきのは俺のミスだろーが! お前は! 俺を助けた立場なんだぜ?」 「ううう、違うの、ナランチャが死ぬと思ったからぁ、よかったああ」 強く彼を抱きしめたら、彼は苦しそうな声を漏らしながらも私の頭を撫でてくれた。

ナランチャ・ギルガ/



軽くてあまり持続性のない痛みが後頭部に響いた。どうやら私はアバッキオに頭を引っぱたかれたらしい。彼が今どんな表情をしているのか確かめる勇気なんてないくせに、怖いもの見たさで私は恐る恐る彼のいる方へと視線を向けた。彼は呆れたような、もう慣れたものだとでも言うような、あるいはそんなことを言うもんじゃない、とでも言ってくれているような。そんな大きな溜息をついていた。

レオーネ・アバッキオ/



「なまえ、元気出シテクレヨ!」 そう言ってあの子は私の指を握ってくれた。こんなに泣き虫な子にさえも気を遣われてしまうなんて、私はなんて情けない人間なのだろうか。というかそもそも、貴方の本体は私を嫌っているんじゃあなかったっけ。そう思ったとき、不意に私の肩を叩いたのがその本人だった。「まーた死ぬとか喚き散らしてたのかよ」 「だってそう言わないと死んじゃうんだもん」
くだらねーの、とそう言って彼は視線を他へ向けた。こんなことを口に出す勇気はないけれど、私のこれは貴方の4という数字への怯えとそんなに変わらないと思うの。

グイード・ミスタ/



私のことを全て分かりきっているとでも言うように、ジョルノは優しい声色で私を包み込んだ。ああ、私はずっとこの言葉を待っていたのかもしれない。彼は分かっていたのかもしれない。なまえにとっては死ぬことに対しての恐怖より、死んで忘れられてしまうことに対しての恐怖の方が勝っている、と。「貴方が死んでしまっても、僕は忘れません。絶対です。毎日花を手向けに行きます。だから、安心して任務へ行っておいで」 そんな彼の言葉に、私はひどく安堵した。

ジョルノ・ジョバァーナ/



ブチャラティさん、私やっぱりだめかもしれない。性別が一緒だからってトリッシュと同じ部屋に放り込むなんて! 私は彼女みたいにお洒落じゃあないから安心させてあげられるような声も掛けられない。ほらだって、その格好良い髪型や露出の多い服、そして独特な柄のスカートだって彼女だからこそ着こなせるに決まってるもの!

トリッシュ・ウナ/


2019.1.17

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