稲GOss | ナノ




((京)天)



「俺なら大丈夫。ずっと一人ってわけじゃなかったし、サッカーだって出来たから。偶に振り返って、お前を捜したりもしたけど、でもね、そんな時間も案外心地よかったりもしたんだよ。何か、俺はお前が本当に好きなんだなぁって改めて実感出来たから。そりゃあ、寂しくなったりもした。寂しくって、辛くて、思わず泣いたりもしたよ。…俺だって泣くよ。お前がいないんだもん。お前の声が頭の中に響くんだ。天馬って、優しく呼んでくれる声が嬉しくって、でも少し悲しくって。だって、お前に天馬だなんて呼んでもらったことないじゃんか。だから、そこでまたお前がいないことを思い出すんだ。あんなに優しく呼んでくれたことないし、これからだってないだろうなぁ、てね。でも違った。お前はちゃんと俺を見てくれてたし、こうやって走ってきてくれた。だからもうどうでも良いんだ。俺と同じ気持ちじゃなくて良いよ。ずっと一緒にいてくれなくても構わない。…ちょっとだけ寂しいけど、でもね、偶にこっちを見て、笑ってくれたら俺はそれで十分だよ。俺は、ずっとここにいるから、偶に会いに来てね。大丈夫。ゆっくりで良いよ。ずっとここで待ってる」




(嘘)
(走って、会いに来て)





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